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投稿者: ゲスト 投稿日時: 2010/5/6 17:31:08 (2937 ヒット)

もんじゅの試験運転再開に抗議する

2010年5月6日
NPO法人 原子力資料情報室
共同代表 伴英幸

 高速増殖原型炉「もんじゅ」の試験運転再開には強い不安と深い疑問がある。
 ナトリウム漏えい対策を中心に改良工事が行われたといえども、「もんじゅ」本来の危険性、すなわち暴走事故の潜在的な危険は解消されたわけではない。また、ナトリウム漏えい事故は世界では二度、三度と繰り返している。
 「もんじゅ」の安全総点検が終わった後でも、ナトリウム漏えい検出器の不具合が続出した。このトラブルでは日本原子力研究開発機構(以下、原研機構)の品質保証体制や通報遅れに端を発した組織体制の問題が浮かび上がった。後者は14年前の手痛い経験が活かされず、当時の改善がまもられないまま机上のものだったことを如実に示した。
 設備の点検は万全というが、配管の内側の目視点検はほんの一部だけで、大部分は調べていない。燃料集合体も一体を点検しただけだ。この一体も貫通口がないかを確認し、外側を目視点検しただけで、燃料ピン一つ一つの検査は行なっていない。これでは、漏れていないから大丈夫と言っているに過ぎず、とうてい万全の点検とはいえない。「もんじゅ」は14年間も運転を停止し、動かないまま老朽化した設備なのである。
 設備に対してと同時に、これを運転する組織にも強い不安が残る。運転再開は新たな事故を待つようなものであり、とうてい認めることはできない。
耐震安全性も確保されたとは言い難い。耐震安全審査指針が改定された結果、以前には否定された活断層が認定され、敷地直下に2つの断層面があることが分かった。想定される最大規模の地震動の加速度は466ガルから760ガルに引き上げられた。30年も前に466ガルで設計され、これに基づいて20年も前に建設された建屋や機器類が760ガルにも耐え得るという。建屋・機器の「実力」で評価したというが、これらが持つとされた安全余裕を切り詰めた結果にほかならない。燃料集合体や一部の機器・配管類の最終的な耐震安全性は時刻歴波形を使って検討され、安全性が確保されるとしているが、観測地震データもない敷地で計算上作られた時刻歴波形の信頼性があるとは言い難く、まさにロシアンルーレットのようである。加えて、最大の地震動(760ガル)の策定に疑問が残る。震源断層面の不確実性(断層面の上端を4kmでなく3kmを基本とすべき)、その上の地盤減衰の不確実性(630mまでの地盤の減衰率は3%でなく1%とすべき)、水平動と上下動の関係の不確実性(直下の活断層を考えるなら水平動の3分の2の上下動でなく、さらに強くするべき)などを考えると、とうてい十分とは言えない。
いっそう深い疑問は原型炉「もんじゅ」はすでに原型炉としての意義を失っていることだ。次期実証炉へつなぐはずの原子炉は大きく炉型を変えているからだ。次期実証炉は出力を変えて2基建設するといわれているが、言葉の裏にある実態は、1基が原型炉として考えられているということだ。「もんじゅ」の10年程度の発電実績に何ら意義はなく、運転再開は極めて官僚的な対応に他ならない。
さらに加えて、2050年ごろから商業レベルで導入としているが、果たして高速増殖炉の実用化に意味があるのかどうか深い疑問がある。高速増殖炉の開発先進国はすべて撤退した。技術的困難、経済的困難、社会的合意の困難の3つの大きな困難が克服できずに撤退したのである。本格運転前にナトリウム漏れ火災事故を起こしたような日本の技術が、困難を克服できるとは考えられない。技術力の低下はそこかしこで指摘されていることである。また、実用化のためにはコストが原発並みに、あるいはそれ以下になって、この炉の経済的有利さが証明されなければならない。「もんじゅ」の建設費は軽水炉の7倍以上高く、遠い先の50年ごろからの実用化と言ってみても、何ら根拠のある数字ではない。スケールメリットなどが描かれてはいるが、現在の技術の延長上に経済的困難が克服できるとは考えられない。
加えて、高速増殖炉のプルトニウム増殖はプルトニウム239の割合が98%に達する超核兵器級のプルトニウムの増殖である。しかも、この再処理は核分裂生成物が少ないことから、原発の使用済み燃料の再処理に比べて容易といわれる。核拡散が深刻な状況に陥っている現代の国際社会にあって、このプルトニウムの取り出しが容認されることは考えにくい。社会的合意の面からも困難が克服できるとは考えられない。
「もんじゅ」の運転再開に抗議すると同時に、運転を即時停止して、高速増殖炉から撤退することを訴える。


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投稿者: ゲスト 投稿日時: 2010/4/19 16:12:37 (1739 ヒット)

2010年4月18日

日本原子力研究開発機構
理事長 岡崎俊雄 様
敦賀本部長 早麝ぐ 様

もんじゅ再開反対!現地抗議集会
呼びかけ団体
原子力発電に反対する福井県民会議
原水爆禁止日本国民会議
ストップ・ザ・もんじゅ
原子力資料情報室
反原発運動全国連絡会
現地集会参加者一同

ムダ、ムリ、無謀のもんじゅ再開に抗議

高速増殖炉原型炉「もんじゅ」再開は、多くの周辺住民や国民の不安を大きくしています。貴機構のこれまでの対応をみるとき多くの住民は、再会すれば予想もつかない事故が待ち受けていると受け止めており、重大な惨禍が住民に降りかかるであろうと懸念しています。住民の不安にこたえる努力を軽視し、年度内再開を最優先してきた貴機構の再開強行姿勢に強く抗議します。

14年以上も停止していた原子炉の再起動は世界に例がなく、ましてや事故を起こした研究開発途上の高速増殖炉です。もんじゅで、1次、2次を含む長大な配管の健全性はどこまで確実に確認できたといえるでしょうか。ナトリウム検知器の誤警報で明らかになった建設当初からの取り付けミス、屋外排気ダクト腐食の放置などずさんな品質保証体制は根深くあります。事故後に行われた安全性総点検にもかかわらず、実際に点検されていなかった実態も明らかになり、膨大な機器の点検が十分かどうかも疑問です。監督責任がある国の信頼も地に落ちました。

貴機構は建設当初は「ない」といってきた活断層の存在について、耐震見直しの結果、直下に白木―丹生断層とC断層の2本があることを認めました。しかし評価を変更したことについて、過去の過ちを反省する姿勢はなく、耐震評価に対する住民の質問書にも答えていません。
地震時にナトリウムが漏れても原子炉を停止しないことも明らかになり、事故再発の思いを強くせざるをえません。耐震評価はさらに見直すべきです。

研究開発から約半世紀。高速増殖炉開発総額に2兆円、わずか1時間しか発電していないもんじゅに9000億円の税金がつぎ込まれてきました。費用対効果なしで、さらに突き進む愚行はもう止めてください。

私たちは運転再開に強く抗議し、もんじゅの廃炉を求めます。

以上


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投稿者: ゲスト 投稿日時: 2010/4/1 22:42:39 (4201 ヒット)

緊急声明
「もんじゅ」の運転再開に反対する

事故後14 年以上停止していた高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が、3月中にも運転再開されようとしている。これほど長期の停止後に運転再開した原発は世界にもほとんど例がなく、高速増殖炉では皆無である。
「もんじゅ」の事業者である日本原子力研究開発機構は運転再開の準備が整ったとし、国の原子力安全委員会もそれを了承した。しかし、冷却系等配管の点検、蒸気発生器伝熱管の未貫通の亀裂や穴あきの探傷、炉心燃料集合体の健全性調査はほとんど行われず、いかなる欠陥が潜んでいるかわからない。
一連の運転再開準備も、数百個にのぼる接触型ナトリウム検知器の点検漏れが「誤警報」によって偶然発覚したり、排気ダクトの腐食損傷が放置されていたなどずさんな実態が明らかになり、運転再開は四度も延期された。この先、未発見の重要な点検漏れがないとする保証はない。トラブルの対応においても、連絡遅れ等の頻発など組織の体質が改善されたとは思われない。経験者の多くが去り、人材面も問題である。このような状態で運転を再開することは危険であり、再び事故を起こす恐れが大きいと私たちは考える。
一方、「もんじゅ」の建設費が軽水炉の約5 倍と高いことから、実用化像としては、「もんじゅ」とまったく異なる構想に描き直されている。したがって、「もんじゅ」は、もはや実用化に向けた原型炉ではない。運転目的の「発電プラントとしての信頼性の実証」は、実用化像と大きくかけ離れていては実益に乏しく、「ナトリウム取扱技術の習得」に「もんじゅ」が不可欠なはずもない。「燃料や材料の照射試験」用にはすでに実験炉「常陽」がある。高速増殖炉推進の観点に立っても、「もんじゅ」の運転再開には意味がない。
しかし、最も根本的な問題は、そもそも高速増殖炉自体実用になる見込みがないうえに、高速増殖炉を運転すると核兵器に最も適した超核兵器級プルトニウムが容易に生産・取り出せることだ。
高速増殖炉は、プルトニウムの増殖により圧倒的な電力用資源が得られるとの期待から、他の原発に先立ち開発が始められた。しかし、開発は困難を極め、半世紀以上かけても実用に到らなかった。先行した米国、英国、フランス、ドイツ各国は、いずれも約20年前までにすべて高速増殖炉開発から撤退した。理由は、 軽水炉に比べても格段に危険であり、 経済的に成り立つ見通しが無く、 核兵器の製造に容易に結びつく恐れがあるからであった。ロシア、中国の炉は増殖炉とは無縁の濃縮ウランを燃料とする高速炉であり、フランスの新計画は放射性廃棄物対策の一環であって増殖炉とは関係ない。資源または軍用目的で残った国は日本とインドのみとなった。数十年先といえども、日本一国で未知の技術開発のかたまりである実用化を実現できるとは思われない。日本は、目下、厳しい国家財政の中で、多くの社会問題の解決を急がれている。無意味な「もんじゅ」運転に、危険を冒してまで毎年巨額の税金を投入し続けることは到底許されない。
以上の理由から、私たちは「もんじゅ」の運転再開に強く反対する

2010年3月31日
「もんじゅ」運転再開に反対する学者有志一同

「もんじゅ」運転再開に反対する学者有志一同(アイウエオ順)
淡川典子(元富山大)
新井栄一(東京工業大名誉教授)
石田紀郎(京都学園大バイオ環境学部)
井野博満(東京大名誉教授)
今中哲二(京都大原子炉実験所)
海老沢徹(元京都大原子炉実験所)
荻野晃也(元京都大工、電磁波環境研究所)
尾崎充彦(元大阪大工)
川野真治(同志社大工)
木原壯林(京都工芸繊維大名誉教授)
木野茂(立命館大)
小出裕章(京都大原子炉実験所)
小林圭二(元京都大原子炉実験所)
小村浩夫(静岡大工)
小山英之(元大阪府立大工)
佐藤進(京都大名誉教授)
正脇謙次(元京都大工)
白鳥紀一(元九州大理)
槌田敦(名城大)
朴勝俊(京都産業大)
橋爪健郎(鹿児島大)
馬場浩太(元広島修道大人間環境)
広瀬勉(元熊本大工)
藤井石根(明治大名誉教授)
藤田祐幸(元慶応大物理)
藤村陽(神奈川工科大)
細川弘明(京都精華大教授)
前田耕治(京都工芸繊維大工芸科学研究科)
宮内泰介(北海道大文)
三輪浩(信州大名誉教授)
山内知也
山口幸夫(和光大)
山田耕作(元京都大理)




緊急声明(説明篇)
「もんじゅ」の運転再開に反対する

14年以上にわたり停止していた福井県敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」が、3 月中にも運転再開されようとしている。これほど長期間停止した後に運転再開された例は、数多い軽水炉でも世界に1 例しかなく、高速増殖炉では皆無である。この停止中にもトラブル等の発生が相次ぎ、予定された運転再開時期は四度も延期されてきた。このような「もんじゅ」の運転再開は危険であり、再び事故を起こす恐れが大きい。さらに、「もんじゅ」運転の意味、そして高速増殖炉開発自体には根本的疑問がある。したがって、私たち学者有志は「もんじゅ」の運転再開に強く反対する。
以下、反対理由をより詳細に説明する。

【理由】
1、点検や運転再開準備の実態は万全にはほど遠い
「もんじゅ」の事業者である動力炉・核燃料開発事業団(事故当時、現日本原子力研究開発機構、以下原子力機構)は、1995年に事故を起こした後、事後原因の調査、安全性総点検、再発防止等の改造工事、組織や安全体制の見直し、所管官庁や規制当局によるチェックを経て、点検や機器・系統の試験等の準備を終え、運転再開可能になったとしている。しかし、その実態を知るにつれ万全にほど遠いことが明らかとなった。
(1) 点検不可能な個所が数多く残されままであり、大幅に点検を省略したものがある
長年の停止中に発生あるいは進行しているかも知れない配管、特にナトリウムを抜き取ったり工事で切断等開口された冷却系等の配管内面は、開口部近辺を除き調査が不可能で実施されていない。
蒸気発生器(蒸発器及び過熱器)では、伝熱管に穴が開くと、加圧水型軽水炉の場合とちがい高圧の水もしくは水蒸気がナトリウム中に噴出し、激しいナトリウム・水反応が起こる。しかし、伝熱管の探傷装置の精度は極めて不十分であり、特に亀裂や小さい孔は検知できず、傷が貫通し同反応が起こるまで検知できない。
燃料集合体は、炉心燃料体、ブランケット集合体それぞれを代表し1体ずつしか検査されない。これでは少なすぎ燃料の健全性を確認したことにならない。
(2)安全性総点検にもかかわらず、多くの点検漏れが見つかった
施設内の到るところに取り付けてある接触型ナトリウム漏えい検知器が何百個も、最初の設置以来点検されていなかった。これも、たまたま「誤警報」の発生という偶然により発見されたにすぎない。
原子炉室からの排気ダクト(放射性物質を含む可能性のある空気の排気通路)の腐食による穴あきや減肉が放置されていた。
これら以外にも必要な点検や改善の漏れがないとする保証はない。
(3)事故時に問題となった組織の旧体質が改善されたとは思われない。
上記「誤警報」発生時に定められた連絡を遅らせたり約束していた連絡を行わないなど、連絡不備や過去のトラブル未報告などの問題が相次いだ。

2、「もんじゅ」は実用炉に結びつかない
(1)日本が描く高速増殖炉の実用化像は、「もんじゅ」とまったく異なる
「もんじゅ」の建設費が軽水炉の約5倍と高いことから、高速増殖炉を実用化するためには設計を根底から変えなければならない。
現在描かれている実用化像は、出力が「もんじゅ」の5倍以上と大きくなるため冷却の失敗による暴走の危険性がさらに高まるにもかかわらず、冷却系ル−プ数を3ル−プから2ル−プに減らし、代わりに配管口径を「もんじゅ」の1.5 倍に拡大するなど「もんじゅ」が持っている安全余裕を大幅に削る。さらに、機器間を逆U字形配管で結び、中間熱交換器と主循環ポンプを一体構造にし、蒸気発生器伝熱管を二重管構造にするなど、全体が多くの未知の新技術で構成される。これら新技術が果たして実用になるのか、経済性改善に結びつくか不明である。
(2)「もんじゅ」はもはや原型炉でない
「もんじゅ」は、当初、高速増殖炉開発における実用化2段階前の原型炉として建設された。原型炉は、実用炉像に似せ完結されたプラントとして作られ、それが工学的に成立することの確認を目的とするものである。しかし、実用化像として「もんじゅ」とまったく異なる型が描かれることになり、「もんじゅ」の高速増殖炉開発における位置づけは宙に浮いてしまった。実態はもはや原型炉ではない。
(3)「もんじゅ」の運転は意味が無く、無駄である
運転再開の目的として、「発電プラントとしての信頼性の実証」と「ナトリウム取扱技術の習得」が挙げられている。しかし、「発電プラントとしての信頼性の実証」は、実用化像と大きくかけ離れてしまってはあまり意味はない。「ナトリウム取扱技術の習得」は、「もんじゅ」でなくとも実験炉「常陽」や代替設備で可能である。
それ以外に、燃料や材料の照射試験が目的に挙げられることがあるが、それも照射実験装置を備えた実験炉「常陽」で可能である。
「もんじゅ」の運転再開は、たとえ高速増殖炉開発推進の観点に立っても意味がない。

3、高速増殖炉は危険が大きく、経済的にも成り立たない
(1)「もんじゅ」(高速増殖炉)は軽水炉にもない多くの危険性をもつ
暴走しやすい
冷却材が沸騰して気体の泡になると、核分裂連鎖反応がより盛んになる性質がある。また、燃料棒配列が乱れたり溶融したりして互いに近づいたり合体したりすると核分裂連鎖反応がより盛んになる。これらの性質が正のフィ−ドバック効果となって核分裂連鎖反応をより加速し暴走事故に到る危険性がある。一方、軽水炉では、一般に、いずれの場合も核分裂連鎖反応が減衰する方向に向かう。
大量に必要な冷却材として危険物のナトリウムが使われる
ナトリウムは水に触れると激しく反応し、その衝撃力が機器を損傷したり、爆発しやすい水素や腐食性の苛性ソ−ダを発生して爆発や機器の破損の原因となりうる。
運転中のような高温のナトリウムが漏れて空気に触れると、燃焼し火災事故につながる(1995年の「もんじゅ」事故)。これまで世界で138 件(アメリカを除く)のナトリウム漏えい・火災事故が報告されている。
ナトリウムがコンクリ−トに触れると激しく反応し、コンクリ−トの強度を失わせる。
燃料を直接冷やす一次冷却材ナトリウムは、強い放射能を帯びる。
ナトリウムは不透明なため、燃料操作など原子炉内作業を直接目で確認することができない。
燃料のプルトニウムは、放射能毒性が非常に強い。
地震に弱い構造
冷却材のナトリウムは水とちがい熱しやすく冷めやすいため、熱衝撃による破壊を防ぐため、配管や機器の肉厚を薄くしなければならない。結果として地震に弱い構造にしなければならない。
(2)高速増殖炉は経済的に成り立たない
巨額の建設費
危険性が大きいため安全対策に多額のコストを要する。実用炉の五分の一以下の規模に過ぎない試験段階の原型炉「もんじゅ」でさえ、直接の建設費だけで5886億円(「事業仕分け」時の予算担当部局資料による。以下同じ)を要した。
これを単位出力当たりで比較すると、軽水炉の約5倍に相当する。
多額の設計関連費、高額の維持管理費を要する
これまで「もんじゅ」の設計関連費用と維持管理費に、国費だけで約3200億円が費やされた。
停止中でも高額の維持管理費
「もんじゅ」停止中も、維持管理費に毎年約200億円、1日約5500万円を支出。
運転再開されるとさらに上積みされる。2010年度予算は233億円。
これ以外に燃料関係(製造、輸送、管理、核不拡散保障措置)の費用が必要
実用化への長期にわたる巨額の開発費
実用化をめざせば、今後数十年にわたり、高速増殖炉本体だけでなく高速増殖炉用核燃料サイクルの開
発にも多くの未知技術開発費が継続的に必要。その額は計り知れず、2010 年度予算では203億円。

4、核兵器製造を容易にする「もんじゅ」の運転
「もんじゅ」を運転すると、燃料を取り囲むブランケット部に、核分裂性物質であるプルトニウム239が約98%占める超核兵器級プルトニウムが溜まる。通常の使用済燃料とちがいブランケット部分は核分裂生成物(死の灰)が少ないため、再処理が極めて容易である。ブランケット部分を選択的に取り出し再処理することによって、核兵器に最も適した超核兵器級プルトニウムを容易に入手することができる。その超核兵器級プルトニウムを、「もんじゅ」は年間約62 キログラム生み出す。これは核兵器12 〜 30 個分にあたる。
「もんじゅ」の運転再開は近隣諸国はもとより世界の核情勢に緊張をもたらし、国際道義上許されることではない。

5、世界はすでに高速増殖炉開発から撤退
日本に先行して開発を始めた各国はすべて、約20年ほど前までには高速増殖炉開発から撤退した。軽水炉に比べても格段に危険性が大きく、経済的に成り立つ見通しがなく、核兵器拡散につながる恐れが大きいことが撤退理由となっている。
米国
核拡散の恐れから1977 年に原型炉(「もんじゅ」と同格)建設を凍結、炉心大事故(炉心崩壊事故)に関する安全論争をへて、最終的には経済性への疑問から、1983 年原型炉クリンチリバ−の建設を中止、高速増殖炉開発から撤退。
英国
蒸気発生器の大事故を経験後、1988年、経済性と将来の実用化に対する疑問から、当時のサッチャ−政権が運転中の原型炉PFR の廃止を決定、1994年、同炉の停止をもって高速増殖炉開発から完全に撤退。
フランス
1991年制定の「放射性廃棄物管理の研究に関する法律(バタイユ法)」によって高速増殖炉開発からの撤退を決定。稼働中の原型炉フェニックスと世界唯一の実証炉スーパーフェニックス両炉は、高速増殖炉から余剰プルトニウムの焼却および長寿命放射性廃棄物の核変換(核分裂させより短寿命放射性廃棄物に変換)研究用の試験炉に変更。その後、スーパーフェニックス炉は経済的理由から1998 年に停止、廃炉作業にはいった。フェニックス炉も、2009年に廃止された。
近年、2015年の稼働を目指すとして原型炉建設の話しが浮上しているが、これも、放射性廃棄物対策が目的の高速炉であって、電力源を目的とする高速増殖炉ではない。
ドイツ
1985年、原型炉SNR − 300が完成したものの、大事故(炉心崩壊事故)の可能性と影響をめぐる安全論争が沸騰。1991年、原子炉に燃料を一度も装荷することなく廃炉を決定。高速増殖炉開発からも撤退。
ロシア(旧ソ連)、中国
原型炉BN − 600が稼働中だが、米露合意による解体核兵器から回収された余剰兵器級プルトニウム処分のため一時的にプルトニウムが使われた以外、燃料には濃縮ウランが使われており、高速増殖炉ではない。ロシアの援助で建設中の中国の実験炉も同じ。
インド
実験炉が稼働中だが、建設中の原型炉も含め、民生用施設を対象とする国際原子力機関(IAEA)の査察対象から除外された。したがって、核兵器製造も念頭に置かれた原子炉と考えられるので論外である。

6、増殖は幻想、増えかたが遅すぎて無意味な「増殖」
高速増殖炉は燃えた量以上の燃料を生み出す「夢の原子炉」と言われてきた。もんじゅは1.2倍が目標とされている(増殖比)。しかし、燃料の増える速度は非常に遅い。同じ高速増殖炉をもう一基立ち上げるため必要な燃料の量がたまるまでの年数(倍増時間)は、50年から90年にのぼる。再処理過程などで回収できないロス率が大きくなれば、倍増時間はどんどん長くなる。これではいつまで経っても二基目の高速増殖炉さえできないことになり、増殖の意味はなくなる。
軽水炉の使用済燃料から再処理して取り出したプルトニウムは、国際的な約束によって溜めておくことができない。この点からも、高速増殖炉実現の見込みはない。

【結語】
14年以上の停止中に、「もんじゅ」は機器等の劣化も進行し、いまだ気がつかない欠陥も少なくないと思われる。この間、事業主体の「原子力機構」でも経験者の多くが去っていった。準備中に発生したトラブルの数々やその対応を見ても、「もんじゅ」が安全に運転再開できるとは思われない。
「もんじゅ」の存在意義はすでに失われている。国家予算が厳しいなか、救済すべき社会問題が山積する日本の現状で、実現さえ不明な数十年も先のことに、今から毎年、運転・維持管理に巨額を要する「常陽」と「もんじゅ」の2基とも抱えて動かすことは、あまりにも無駄であり許されることではない。
高速増殖炉は、原発としては現在稼働中の軽水炉よりずっと早く開発が始められた。しかし、世界が半世紀以上かけても実用にならなかった。残った国は、事実上、日本だけである。しかし、数十年先といえども実用化の保証はまったくない。日本一国でもやれるとする独善的とも思われる姿勢が大きな禍根につながらないか懸念される。

「もんじゅ」の運転再開には、重ねて強く反対を表明する。

2010 年3 月11 日
高速増殖炉「もんじゅ」運転再開に反対する学者有志一同


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投稿者: ゲスト 投稿日時: 2009/12/18 16:53:37 (2556 ヒット)

原子力資料情報室は12月14日、原水禁国民会議と共同で、鳩山政権に高速増殖炉問題に関する要望書を提出しました。




2009年12月14日

内閣府
政務官 津村啓介様

原水爆禁止日本国民会議
東京都千代田区神田駿河台3-2-11総評会館1F
議長 川野浩一 公印略

原子力資料情報室
東京都新宿区住吉町8-9曙橋コーポ2階B
共同代表 西尾漠 公印略

高速増殖炉開発予算の抜本的な見直しについての要請

行政刷新会議の事業仕分けで11月17日、「高速増殖炉(FBR)サイクル技術」が取り上げられました。そこでは、「もんじゅの再開はやむなし」とする一方、研究開発については「縮減も」としながら結論が見送られました。しかしもんじゅをはじめとする高速増殖炉開発は、多くの問題点を抱えています。以下、幾つかの問題点を申しあげ、再度、抜本的な見直しをお願いいたします。

 「もんじゅ」の再開については、財務省から「14年間運転停止しており、何らの研究成果が上がっていないにも関わらず、毎年莫大な経費を要している。来年3月に運転再開を目指しているが、今後とも莫大な経費を投入すべきか否か、必要性を検証する必要があるのではないか」と指摘がありました。別紙1「『もんじゅ』に開発意義なし」に示すように、「もんじゅ」の必要性については多くの識者から否定的な声があがっています。スズキ氏や鳥井氏らは高速増殖炉開発の意義は認めた上で、「もんじゅ」がその開発に必要なものでないことを述べています。開発されようとしている実用炉と「もんじゅ」がまったくの別物である点は、別紙2「『もんじゅ』と実用炉の主な違い」をご参照ください。
 残念ながら「もんじゅ」の実情を知る仕切り人がいなかったこともあり、必要性の検証はできずに終わっています。そのため「再開すべきでない」との結論に至らなかったとはいえ、「再開やむなし」は再開への疑問が多く残ったということでしょう。これで終わりではなく、「必要性を検証する必要」はいっそう重要な課題となっています。
 そこで、たとえ「再開やむなし」としても、2010年度は検証期間とし、予算は運転の維持費にとどめるべきだと思います。「もんじゅ」の運転関係経費要求額233億円の内訳を明らかにし、維持のために必要な費用とその余の費用を選別すべきです。なお、維持費についても、財務省の指摘の通り「毎年の実績を反映しつつ、経費削減を徹底的に行うべき」ことは、いうまでもありません。

 高速増殖炉サイクル技術の研究開発費としては203億円が、仕切りの対象となりました。財務省からは以下の点が指摘され、「本事業は当面凍結すべきではないか」と提言されています。
 第一に、急ぐ必要はないということです。「『もんじゅ』に関する研究ではなく、『もんじゅ』の次々世代の実用炉(2050年目途)に向けた研究であり、急ぐ必要はないのではないか。加えて、『もんじゅ』の運転再開の大幅な遅れにより、その後の実用化に向けた研究計画も大幅な遅れ。本研究についても大幅な後ろ倒しをすべきではないか」。
 次々世代の実用炉に向けた研究とはいえ、当面は次世代の実証炉(2025年目途)に用いる技術の開発につけられた予算です。その意味では、財務省の指摘に誤解があるのかもしれません。しかし、実用炉の計画が1967年の原子力研究開発利用長期計画で「昭和60年代の初期に実用化することを目標」とされて以来、逃げ水のように遅れつづけてきたことは周知の事実であり、2050年前にという現在の目標もさらに先延ばしされることは必至と見られています。むしろ必要なのは、そうした「失敗の歴史」の総括なのではないでしょうか。
 現原子力安全委員長の鈴木篤之氏は、東京大学教授であった1997年当時、「原型炉『もんじゅ』の次にくる実証炉の建設には反対だ。実証炉をつくらなくても、作った場合と同等の目標を達成できるような技術手法はあり、そうした考えを導入すべきだ」と表明されていました(1997年7月1日付電気新聞)。にもかかわらず、多額の予算を獲得することを良しとする官僚体質のもと、むだな実証炉開発予算がつけられつづけています。

 第二に、費用の額が大きすぎることが問題視されています。「そもそも『もんじゅ』に巨額の国費が投入されていることに鑑みれば、それ以外の関連研究開発は極力抑制すべきではないか」。
 実は高速増殖炉サイクル技術の研究開発予算要求は、203億円だけではありません。経済産業省も、「発電用新型炉等技術開発委託費」の名目で、実証炉の技術開発予算56億円を要求しています。他にも隠された開発予算がまだありそうです。
 なかでも、まったく不用不急なものとして、経済産業省の要求する「高速炉再処理回収ウラン等除染技術開発」費があります。「高速増殖炉が本格導入される2,050年以降」に、その使用済み燃料を再処理して得られる回収ウランから不純物を取り除く技術です。明らかに、削除されてしかるべきです。
 また、高速増殖実験炉「常陽」という、既に事業目的を失ったものについて、いまだに20億円近い予算が文部科学省から要求されています。「常陽」は、すでに高速増殖炉開発における役割を終え、一般的な照射試験炉となっていて、他の原子炉で代替できるものです。しかも2007年6月に事故を起こして以来、停止されています。

 第三に、民間中心で進めるべきという点です。「本研究は、民間出資により設立された株式会社が実施。実用段階の研究開発は、民間中心に進められるべきではないか」。
 本事業の"主体"である日本原子力研究開発機構の前身のひとつで高速増殖炉開発を行なってきたのは、旧どうねん(動力炉・核燃料開発事業団)です。どうねんは当時、「政府資金開発事業団」と揶揄して呼ばれていました。政府資金を引き出し、研究は民間に丸投げするという実態からです。
 1980年から2009年までの費用9032億円のうち民間から1382億円(15%)の出資があった「もんじゅ」について、文部科学省は「官民共同で進めている」と説明しています。本研究は商業目的の技術開発であり、そのような「官民共同」で済まされてよいはずもありません。予算の要求に際して官民の負担割合が明記されていないようでは、検討すらできないでしょう。



[別紙1]

「もんじゅ」に開発意義なし―原発推進派からもこんな評価

☆肩書きは発言当時のもの

高速増殖炉『もんじゅ』の建設については、電力業界はもう資金負担に応じきれない、計画そのものを白紙に戻して再検討してほしい――と事実上、動燃のプロジェクトから降りる姿勢を明らかにした。(1974年10月21日付読売新聞)

原型炉『もんじゅ』についての最近の情報は良く知らないが、いまでも10年前の設計で居眠りしたままやっているんだろうか。『もんじゅ』が完成したとき、『作ることにだけ意義のあった現代の遺物』にならないよう祈る。(ケネス・T・スズキ=米カリフォルニア大学、『原子力工業』1981年7月号)

大型MOX炉[プルトニウム・ウラン混合酸化物燃料を用いるタイプの高速増殖炉の意]は開発意義が乏しい。(平岡徹=電力中央研究所特別顧問、2000年2月13日付福井新聞)

[もんじゅが高速増殖炉の実用化に役立つというのは]車の運転によって飛行機の運転に役立つと言っているようなもの。(鳥井弘之=日本経済新聞社論説委員、2000年2月16日付福井新聞)

もともと(もんじゅへの)期待感は薄いものがあった。(資源エネルギー庁関係者、2003年1月29日付電気新聞)

いつまでもだらだらと高速増殖炉を開発する必要性があるのか。(豊田正敏=元東京電力副社長・日本原燃相談役、2004年11月15日付福井新聞)

高速増殖炉原型炉「もんじゅ」を巡り、周辺住民が国の設置許可の無効確認を求めた訴訟で、最高裁は設置許可を適法とする逆転判決を下したが、裁判で勝利したはずの経済産業省の受け止め方は複雑だ。……旧通産省以来、同省の本音は核燃料サイクルの放棄だったとみていい。……しかし一度決まった国策、しかもすでに「もんじゅ」は7000億円を超える投資をしているだけにストップをかけることができなかった。今回の最高裁判決でさらに歯止めがかからなくなると予想される。省内には「反対と言っていた幹部はなぜ体を張らなかったのか」と歴代幹部を責める声が強い。(『エコノミスト』2005年6月14日号)

往々にしてもんじゅは動かすことに頭がいっていて、もんじゅを一体どういうふうに使うかということが、この14年間の空白の中で若干当事者、関係者含めて忘れ去られている。(田中俊一=原子力委員長代理、2009年8月18日第31回原子力委員会定例会議議事録)

過去、運転再開を4度延期し、14年間も停止したままの「もんじゅ」。政府は後継実証炉の利用技術などの検討をしているが、はた目には「ロードマップ」へのこだわりが強いようにみえる。いま一度、運営体制の抜本的な見直しを基本に、計画を再考してみてはどうか。(S.A.、『原子力eye』2009年10月号)



[別紙2]

「もんじゅ」とFBRサイクル実用化研究開発が目指す実用炉の主な違い


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投稿者: ゲスト 投稿日時: 2009/11/11 15:49:49 (2203 ヒット)

'09 もんじゅを廃炉へ!全国集会

再開はムダ、ムリ、無謀
4度目の延期であとがなく、来年2月?再開準備

事故で運転が停止してから満14年になる「もんじゅ」は、ナトリウム漏洩検知器の誤作動や屋外排気ダクトの腐食、ずさんな保守管理などが原因で4度の再開延期を繰り返してきました。しかし原子力機構は来年2月〜3月の再開に踏み切ろうとしています。
旧動燃の体質をひきずったまま、核燃料サイクル政策全体の行き詰まりをごまかすための再開です。スケジュール優先の再開は無謀であり、重大事故の再来が危惧されます。
再開に反対し、廃炉の声を結集しましょう。


'09 もんじゅを廃炉へ!全国集会 【終】

12/5(土)AM11時 敦賀市白木へ
敦賀市白木海岸(もんじゅ前)行き JR敦賀駅前午前10時出発
貸し切りバス代 往復1500円

午前11時 白木海岸抗議集会と原子力機構申し入れ

午後1時30分〜3時30分 もんじゅ廃炉を求める全国集会敦賀市民文化センター
 もんじゅの現状とこれから 原発反対福井県民会議 小木曽美和子
 またまた延期した六ヶ所再処理 青森核燃阻止1万人訴訟 山田清彦
 そこが問題!日本の核燃料サイクル政策 淑徳大教授 横山裕道

午後3時30分〜4時30分 市中行進 文化センター〜JR敦賀駅

午後5時30分〜7時30分 各地交流会 敦賀商栄会館(敦賀駅前)


全国集会に賛同してください。

郵便振替ロ座:
00760-6-50628
原発反対福井県民会議 もんじゅを廃炉へ!全国集会賛同費

個人賛同費 一ロ1000円以上
団体賛同費 一口5000円以上



'09 もんじゅを廃炉へ! 全国集会実行委員会
呼びかけ団体:原子力発電に反対する福井県民会議 / 原水爆禁止日本国民会議 / 原子力資料情報室 / ストップ・ザ・もんじゅ. 反原発運動全国連絡会
連絡先
原子力発電に反対する福井県民会議 〒910−0859福井市日の出3-9-3 TEL/FAX 0776-25-7784
福井県平和センター TEL 0776-2-5321 FAX 0776-27-5773

'09もんじゅを廃炉へ!全国集会ちらし


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