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被曝・放射線 : 白血病、がん以外の病気でのはじめての検討 梅田さんの検討会はこれから
投稿者: 原子力資料情報室 投稿日時: 2009/11/11 14:22:05 (5117 ヒット)

『原子力資料情報室通信』第425号(2009/11/1)より




白血病、がん以外の病気でのはじめての検討
梅田さんの検討会はこれから

渡辺美紀子

 本誌423号に、樋口健二さんから「30年目の真実、死亡扱いされていた原発親方」で島根原発と敦賀原発で働いた梅田隆亮さんの問題について報告していただいた。
http://www.cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=843
 報告の中で、梅田さんが労災申請した松江労働基準監督署の労災課長からの6月5日の電話で「厚生労働省で電離放射線障害の業務上外の検討会が立ち上がり、支給・不支給を検討している」とあった。厚労省のホームページを確認したが、該当する検討会開催の記載がないので、8月25日、同省労働基準局労災補償部補償課職業病認定対策室に問い合わせてみた。
 「個人事案に関することなので答えられない」という返答に、「梅田さんは健康障害に苦しんでおられます。30年前の労働災害で申請してほぼ1年になるというのに棚上げされたままですか.....」と強く訴えると、担当者は「その件については現在、検討会の立ち上げを準備中です」と答えた。
 その後、厚労省ホームページに8月31日付けで9月9日に新たな検討会の開催が告知された。もちろん、厚労省に内容について問い合わせてみたが、「個人事案に関することなのでお答えできません」という答えしか返ってこない。医学専門家として新たに核医学の米倉義晴氏(放射線医学総合研究所理事長)が加わったこともわかったので、梅田さんの心筋梗塞についての検討が始まると判断し、本誌424号の「被曝労働に関する動き」に、「梅田さんの心筋梗塞についての検討会はじまる」として伝えた。
 梅田さんは、厚労省認定対策室に自分自身の検討について何回か問い合わせた。10月21日、梅田さんから「対策室の担当者から電話がありました。9月9日の検討会では、業務上であるかないかについて激論があったけれど、結論の方向性は出たそうです。結論については、労基署から通知されるとのことでした」との報告が原子力資料情報室に入った。1回の検討会で結論が出てしまうのか。きびしい結果が出ても、がんばりましょうと梅田さんと話した。
 結果の連絡を待っていた梅田さんに、10月27日、同担当者から「9月9日の検討会は、梅田さんの事案に関する検討ではなかった。梅田さんについての検討会は11月か12月に開かれ、今年中には結論が出ます」との知らせが入った。
 私は驚き、すぐに担当者に電話をしたところ、「21日の梅田さんへの報告は、聞かれたので9月9日の検討会の内容について伝えた。27日には、9月9日の検討会は梅田さんについてのものではなかったという事実をお伝えしました」との返事だった。
 私は、梅田さんはあくまでも自分についての検討はどうなっているのかを聞いているのに、なぜ梅田さんの検討会ではない内容を伝えたのかと訊ねると、「21日は、9月9日の検討会について質問されたので内容を伝えた。27日には梅田さんの検討会ではなかったという事実を伝えただけ」と、担当者は繰り返した。
 どうして、担当者は21日に「9月9日の検討会は梅田さんについての検討ではなかった」と、伝えてくれなかったのだろう。10月21日から27日の連絡までの時間を梅田さんがどんな気持ちで過ごしたのだろうと考えると、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
 筆者が、9月9日の検討会を梅田さんについての検討と判断してしまった経緯は、前述のとおりで、その判断ミスについては、梅田さんをはじめ読者のみなさまに心からお詫びします。

梅田さんの厳しい労働現場

 梅田さんが原発で働いた1979年当時の原発労働者の総被曝線量はピークに達し、大きな社会問題になっていた。梅田さんは、敦賀1号炉では全面マスクを付け、ガス切断機でパイプを切ったり溶接するなどさまざまな作業をした。息と熱気ですぐにマスクが曇ってしまうので、マスクを外して作業をせざるを得なかったと言う。また、作業現場の汚染もひどく、現場に入った途端に100ミリレム(1ミリシーベルト)にセットしたアラームメータが鳴ってしまうこともたびたびあったそうだ。それでも、工期に仕事を仕上げなければならないので、安全を無視して働いた。敦賀での約1ヵ月の作業を終え、体内被曝をチェックするホールボディカウンター(WBC)測定をすると2247カウント(通常の3倍)もの値が出た。
 梅田さんは敦賀から帰宅後、鼻血がでたり、吐き気や脱力感に襲われたりした。7月12日に長崎大学医学部でWBCの精密測定をしたところ、梅田さんの体内からコバルト58、コバルト60、マンガン54、セシウム137など、ふつう体内にはないはずの核種が検出された。
 梅田さんの放射線管理手帳(自身では保持していなかった)に記載されている外部被曝線量は、島根原発での作業(1979年3月2〜10日)で120ミリレム(1.2ミリシーベルト)、敦賀原発での作業(1979年5月17日〜6月15日)で740ミリレム(7.4ミリシーベルト)、合計860ミリレム(8.6ミリシーベルト)である。

もっと大きな枠組みでの検討が必要

 梅田さんの労災を業務上であるかないかを判断する際には、これらの被曝をどう評価するかが大きな課題となる。記録に記載されていない被曝をどう考えるかなどの問題も含めて、これらが検討会でどう評価されるのか、医学専門家だけにゆだねるには心もとない。もっと、幅広い人が参加して検討することが必要だろう。
 また、これまでの検討会で検討の対象となったのは白血病、白血病類縁の多発性骨髄腫と悪性リンパ腫であった。がん以外の疾病についての検討は初めてであると思われる。
 こんな重要な課題を非公開の検討会での検討ですませてしまうのは、大きな問題である。報告書はホームページで公開するとされているが、これまで長尾光明さんの多発性骨髄腫、喜友名正さんの悪性リンパ腫については、疫学論文のレビューなど検討した資料のほんの一部を公開しただけで、その内容はきわめて不十分だ。個人情報保護を楯に、事実上何も公開しないことは大問題である。
 2003年に個人情報の保護に関する法律が制定されてから、情報開示はこれまで以上にひどくなった。これまで被曝労働者の調査や支援の闘いを続けている福島県の石丸小四郎さんは、定期的に地元の労基署を訪ね、原発被曝労働者の労災申請の状況などについて担当者から話を聞いていたが、同法制定後は、病名、被曝線量、被曝期間、従事施設、認定可否など何も公開できないといわれたという。
 原子力資料情報室では、1994年に嶋橋伸之さんが労災認定されたとき、1975年に申請した岩佐嘉寿幸さん(放射性皮膚炎、不支給)以外にも申請をした4人(白血病)がいて、そのうち2人が認定されている資料を入手して以来、「原発労働者の労災認定状況」を表にまとめ『原子力市民年鑑』などに掲載している。厚労省の担当者に私たちが把握している状況を示し、抜けているものはないかなど確認してもらおうと試みたが、「厚労省はそんな役割は引き受ける必要がない」と拒否されてしまった。
 この間、長尾さん、喜友名さんの労災認定をめぐって、厚労省と何回も交渉を重ね、話し合ってきた。そして、労働者の実態をきちんと把握することの重要性はお互いに確認してきた。電離放射線障害で労災認定された件数を県別に示して公表することも検討課題となっている。担当者が変わることで、これまでの約束を反故にされてしまうことがないよう、少しでも原子力施設で働く人の実態を明らかにしたい。そして、梅田さんの問題に取り組むことで、さらに労災認定の扉が拡がるよう努力したい。みなさんのご支援、ご協力よろしくお願いします。

放射線従事者中央登録センター公表のデータ

 (財)放射線影響協会の放射線従事者中央登録センターが公表しているデータは従事者各人についてのものであり、表に示された人数は実際の人数である(表1〜3)。
 本誌423号に掲載した労働者被曝データ(2008年度)は、経済産業省原子力安全・保安院が公表するデータにもとづくもので、複数の事業所で働いた人を事業所ごとに重複して数えるので、合計人数は実際の人数より過大になっている。また、1人当たりの被曝線量は過小になっている。
 経産省のデータでは、20ミリシーベルトを超える被曝をした人はいないことになっているが、中央登録センターのデータでは年間4ヵ所の事業所で働いた1人が20.7ミリシーベルトの被曝をしている。
 また、15〜20ミリシーベルトの被曝は、経産省データでは256人であるが、中央登録センターでは531人となっている。また、働く事業所が増えるにしたがって、被曝線量は増加している(1ヵ所:0.7mSv、2ヵ所:2.2mSv、3ヵ所:3.3mSv、4ヵ所:4.1mSv、5ヵ所と6ヵ所:4.7mSv)。
 年齢別線量(表2)によれば、18〜19歳の平均は1ミリシーベルトだが、18.6ミリシーベルトの被曝をしている人がいる。
 放射線従事者中央登録センターが公表するデータは、原発と原発以外(核燃料加工施設、廃棄物埋設・管理施設、研究所など)、社員と社員外(下請け労働者)の区別がない。これがきちんと区別されていれば、原発の社員外従事者の平均線量はかなり高くなることは明らかだ。
 放射線影響協会は、この放射線従事者中央登録センターのデータにもとづき、「原子力発電施設等放射線業務従事者に係わる疫学的調査」を行なっているが、社会階層分析がなされていないということで疫学調査としての評価はきわめて低い。

表1〜3




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