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投稿者: ゲスト 投稿日時: 2012/2/9 16:20:26 (3024 ヒット)

『原子力資料情報室通信』第452号(2012/2/1)より

福島原発事故被曝労働
明らかにされない作業内容や被曝低減対策

 政府と東京電力は12月16日、福島第一原発の「冷温停止状態」と事故収束工程表の「ステップ2」完了を宣言したが、このまま順調に事故収束に向かうとはとうてい考えられない。

 炉心溶融した1〜3号機の原子炉内部の状態は不明で、溶け出した核燃料が圧力容器や格納容器のどこに、どのように存在しているかすら、よくわからない状況にある。原子炉建屋内に滞留する高濃度汚染水の排水作業は困難を極め、地下水や海水に汚染が拡大している。このようなきびしい状況下で、現場の労働者は作業に従事している。

 1月19日、東京電力は福島第一原発2号炉の格納容器につながる貫通口から工業用内視鏡を入れ、その画像を公開した。映像は放射線の影響で全体に白い斑点が入り、配管や内壁など写った範囲では損傷などの確認はできなかった。

 報道によれば、調査は東京電力社員ら34人で実施。高線量下のため、放射線を遮蔽する小部屋を設置し、その中に入り作業した。計画被曝線量を5ミリシーベルトと設定していたが、最大3.7ミリシーベルトの被曝だったという。

 1月9日には、下請け企業の60代の男性作業員が作業中に意識を失い、心肺停止状態になったと発表された。男性は朝から高濃度汚染水の処理で出る汚泥の保管タンクの製造作業をしていた。午後2時過ぎに体調不良を訴えていわき市内の病院に運ばれ、午後5時ごろ死亡した。死因は心筋梗塞。5月からの累積被曝線量は外部と内部を合わせ6.09ミリシーベルト。同原発の事故収束作業で亡くなった作業員は4人目である。

 これまで報告してきたように、原子力資料情報室は全国労働安全衛生センターなど他のNGOとともに、関係省庁と福島第一原発事故による被曝労働問題についてねばり強い交渉を重ねている。

 厚生労働省は11月1日、事故後、250ミリシーベルトとしていた緊急作業時の累積被曝限度を、11月1日以降に働き始めた作業者については累積100ミリシーベルトに変更した( http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T111102K0010.pdf )。(報道発表は12月16日)

 しかし一方で、高線量区域で原子炉の設備のトラブルに対応する労働者とすでに緊急作業に従事している労働者に対しては、特例として被曝上限を変更せず250ミリシーベルトのままにした。また、原子炉施設の冷却維持などの作業に欠くことのできない高度な専門知識をもつ東京電力社員約50名についても、2012年4月30日までの間、被曝限度を250ミリシーベルトとした。

 工程表のステップ2が終了しても、緊急作業が続く限り、100ミリシーベルトの線量限度が適用される。被曝限度の低減化が最重要課題であることには変わりはない。東京電力とプラントメーカーが策定する作業の種類と内容に応じた被曝線量、必要となる人数の見積もりとその妥当性が問われてくる。

 厚労省は8月31日、被曝線量250ミリシーベルトを引き下げるために、東京電力に対し/靴燭米睇被曝防護策、工程表ステップ2達成に必要な高線量作業の洗い出しとそれらに対する被曝低減措置、8胸厦Х屋内部等、線量が高いと見込まれる箇所の洗い出しおよびそれらに対する線量低減措置、について検討するよう指示した。

 それに対して東京電力は9月〜10月に3度「東京電力福島第一原発における緊急作業に係る高線量被曝作業の洗い出しおよび被曝低減対策に関する報告について」を厚労省に提出している。

 私たちは、厚労省への行政文書の開示を求め続けてきたが、12月22日にようやく開示された。東京電力やプラントメーカーからの報告書は、内容のほとんどが非開示とされ、内容は把握できない(図1)。

 世界中の人びとがこの福島第一原発事故の真の収束を願い、注目している。作業に携わる作業員の安全を祈り、見守っている。これらの作業内容や被曝低減対策などは断じて秘密にされることがあってはならない。

 厚労省は非開示にした部分について、「法人等に関する情報であって公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあるものについては、情報公開法5条2号に該当するため」としている。

 原発で働く労働者、住民の被曝、健康への影響を考慮することは、最優先されなければならない。隠されるべき理由はなにもない。

 今後の交渉のなかで、ステップ2以降の緊急作業やその他の作業における被曝線量と作業内容、場所、被曝低減対策を東京電力まかせにせず、その実態を明らかにしていかなければならない。

 現場で徹底した被曝低減対策を実行させるとともに、個人の被曝上限を低く抑えるためにも東京電力やプラントメーカーに必要な人員を確保させていく取り組みが求められている。

(渡辺美紀子)
図1 厚労省より開示された高線量被曝作業の洗い出しに関する報告書
図1 厚労省より開示された高線量被曝作業の洗い出しに関する報告書




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