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カリウム-40(40K)

半減期 12.8億年

崩壊方式
ベータ線を放出してカルシウム-40(40Ca)となる(89.3%)。また、軌道電子を捕獲してアルゴン-40(40Ar)にもなり、この時にガンマ線が放出される(10.7%)。

存在と生成
天然に存在する代表的な放射能で、太陽系がつくられた時から存在している。同位体存在比は0.0117%で、カリウム1gに放射能強度が30.4ベクレルのカリウム-40が入っている。
カリウム-40が人工的につくられることはほとんどなく、同位体存在比の高いカリウム-40は同位体濃縮によって得られる。
カリウムは岩石中に多量に含まれ、玄武岩、花こう岩および石灰岩の含有量は、それぞれ0.83、3.34および0.31%である(玄武岩1kg中の放射能強度は262ベクレルに相当する)。土壌の含有量は0.008~3.7%の範囲にあり、平均値は1.4%である。
食品中の濃度はかなり高く、白米、大根、ほうれん草、りんご、鶏むね肉およびかつお1kgに含まれるカリウムの重量は、それぞれ1.1、2.4、7.4、1.1、1.9および4.4gである(白米1kg中の放射能強度は33ベクレルに相当する)。
外洋海水1リットルには、0.400g(12.1ベクレル)が含まれる。

化学的、生物学的性質
カリウムはナトリウムと似た性質をもち、化合物は水に溶けやすい。体内に入ると、全身に広く分布する。
カリウムは必須元素の一つである。成人の体内にある量は140g(放射能強度、4,000ベクレル)で、1日の摂取量は3.3gである。生物学的半減期は30日とされている。

生体に対する影響
天然に存在する放射能として、内部被曝による線量が大きいものの一つと考えられる(「ラドン‐222」を参照)。内部被曝が重要で、10,000ベクレルを経口摂取した時の実効線量は0.062ミリシーベルトである。体内に常に同じ量が存在するので、線量は計算しやすい。生殖腺や他の柔組織に対する年間線量は0.18ミリシーベルト、骨に対しては0.14ミリシーベルトである。
ガンマ線による外部被曝も無視はできない。1㎏のカリウムから1mの距離における年間線量は0.0055ミリシーベルトであり、ふつうの場所での年間線量は0.01ミリシーベルトに達することもある。

放射能の測定
半減期は長く、同位体存在比が小さいので、カリウム1gあたりの放射能強度は低い。必ずしも放射能測定をおこなう必要はなく、試料の中のカリウムの重量を決定すればカリウム-40の量がわかる。化学分析の技術を適用すればよい。
しかし、放射能測定が役立つこともある。ゲルマニウム半導体検出器でガンマ線を測定すれば、岩石、土壌、食品などの中のウランとトリウムの量を決定できる。その時に、カリウム-40の量が決定できる。全身カウンターを用いれば、体内の他の放射能とともにカリウム-40の量も決定できる。

放射線エネルギー(100万電子ボルト) ベータ線,1.31(89.3%);ガンマ線,1.46(10.7%)
比放射能(ベクレル/g) 2.6×105
排気中又は空気中濃度限度(すべての化合物、ベクレル/cm3) 5×10-5
排液中又は排水中濃度限度(すべての化合物、ベクレル/cm3) 1×10-1
吸入摂取した場合の実効線量係数(すべての化合物、ミリシーベルト/ベクレル) 3.0×10-6
経口摂取した場合の実効線量係数(すべての化合物、ミリシーベルト/ベクレル) 6.2×10-6