4月27日、JCO事故で重度の被曝をした篠原理人さんが7ヶ月目にして死去した。大内久さんに続く2人目の犠牲者である。
その翌々29日、JCO臨界事故総合評価会議の東海村住民生活影響調査(調査班代表・長谷川公一)の結果が地元の東海村で発表された。地元住民へのアンケート調査はこの1月に地元市民グループの協力を得て4日間にわたって実施された。調査対象はJCOから2km圏内の946世帯で、500m間隔で層化して無作為抽出で選んだ。有効回収率は70.2%であった。
JCO事故に関して現在最も心配なことでは、「自分や家族への放射線の影響」(53.6%)、「重大な事故がまた起きるのではないかという不安」(38.7%)が高かった。さらに、事故時から翌朝にかけて異常を感じたかどうかの質問に対して、身体的異常を訴える住民が多かった。その上位3つは「体がだるくなった」「頭痛がした」「発疹がでた」であった。
住民の意識の変化も明確で、「原子力をこれ以上増やすべきでない」と回答した人が62.4%に達し、「東海村が今後とも原子力産業と共存していく村」と思っている人が43.6%いるものの、「将来的に少しずつ減らしていくべきだ」(20.4%)、「危険な施設はすみやかに操業を停止すべきだ」(32.1%)と思っている人が多いことが明らかとなった。
一方、原子力安全委員会の「健康管理検討委員会」は3月27日、JCO事故に伴う放射線による健康影響の発生の可能性はきわめて小さいとして、既存の健康診断の活用や、健康相談を行なうことが望ましいとする報告書をまとめた。住民の最大被曝線量は21ミリシーベルトとされているが、最初から、この程度の被曝ではそんなに大きな影響は現れるはずがないと決めつけてしまうと、現実に起こっていることが見えなくなってしまう。「心のケア」が必要というのであれば、なによりも住民の側に立ち、住民の不安をしっかり受けとめることこそが必要だ。