JCO臨界事故総合評価会議の「提言と要請」に対する原子力安全委員会の回答
JCO臨界事故総合評価会議は9月22日、原子力安全委員会に対して「提言と要請」を提出しました。それに対する対する原子力安全委員会の回答(11月9日)です。
JCO臨界事故総合評価会議 殿
「提言と要請」への回答
12安委第230号
平成12年11月9目
原子力安全室
平成12年9月28日付の標記資料については、以下のとおり回答いたします。
1.「臨界事故の再調査を民間の第三者機関によっておこなうこと」について
原子力安全委員会は、行政庁から独立した第三者機関の審議会として設置され、原子力安全に係る事項について企画し、審議し、決定することとなっています、ウラン加工工場臨界事故(以下JCO事故)への対応については、新たに「ウラン加工工場臨界事故調査委員会」を設置し、幅広い外部の専門家を中心に幅広い見地から検討を行っており、当然のことながら事故調査は中立な立場で実施されたものと認識しています。
2.「放射線被曝者に対する心身のケアについて十分な配慮をすること」について
原子力安全委員会では、線量評価を踏まえたJCO事故での周辺住民等の健康管理の必要性、具体的な健康管理の方法を検討するため「健康管理検討委員会」を設置し、専門家による検討を行いました。健康管理検討委員会報告においては、住民の方に健康影響が発生する可能性は極めて小さく、影響を検出することはできないと考えられるものの、住民の不安に対して適切な対応をとるため、健康診断、健康相談を実施することが適当とされました。
これを受けて、科学技術庁及ぴ茨城県をはじめとする地元自冶体が、継続的に健康管理を実施する枠組みが設けられ、年1回の健康診断や心のケアを含めた健康相談を実施していくとの報告を受けています。また、本年4月に実施された健康相談及び本年5月に実施された健康診断の結果についても報告を受けています。なお、これらの健康診断等は、「350メートル」圏内に限らず、希望される方に実施している旨報告を受けていることを申し添えます。
原子力安全委員会では、今後も周辺住民の健康管理等について、科学技術庁等から報告を受け、適切な健康管理が実施されているか確認していく予定です。
3.「原子力施設の安全審査の体制を全面的に見直すこと」について
我が国では、科学技術庁、通産省などの行政庁が安全審査を行い、原子力安全委員会が諮問を受けて再審査(ダブルチェック)を行うこととなっています、この体制は、いわば安全規制における多重防護ともいえるもので、この体制に基づき厳格な安全審査が行われています。
JCO事故を受け、原子力安全委員会の事務局機能が科学技術庁から総理府に移管されるとともに、人員も強化され、独立性と機能の強化が図られました、また、行政庁において核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下原子炉等規制法)の改正等による規制の強化等を実施するとともに、原子力安全委員会においても、行政庁のこれら規制活動が確実に実施されていることを把握・確認する規制調査を開始したところです、
更に来年1月の省庁再編では、経済産業省に原子力安全・保安院が設置されるとともに、原子力安全委員会に独立の事務局が設置されるなど、原子力安全確保のための多重補完的な体制が整備されることとなっています。
4.「放射線に関わる教育訓練を強化すること」について
JCO事故後に行われた原子炉等規制法の改正により、事業者による従業員教育について、保安規定に規定を置き、国の認可を受けることとなりました。その実施状況も保安規定の遵守状況検査により確認されることとなります。更に労働省では、原子炉施設、加工施設等において核燃料物質等を取り扱う業務について、労働安全衛生法に基づく特別教育を必要とする業務に指定しました。これらの取り組みの他、目本原子力研究所等関係機関における研修の充実が図られています。
5.「事故の際の防災体制を抜本的に見直すこと」について
JCO事故後に行われた原子力災害対策特別措置法の制定等により、国の保安検査官、防災専門官が現地に駐在するとともに、災害時に国、自治体等が一同に会して防災活動に関する情報を交換、共有等を図るための合同対策協議会がオフサイトセンターに設置されます。原子力安全委員会においても緊急事態応急対策調査委員の指名等、技術的助言機能の強化を図る等、原子力防災体制の抜本的見直し、強化を図っています、また、国、自治体、事業者等が参加する総合的な原子力防災訓練の実施など、この法律の実効性を高めるための取り組みが各機関において行われています。
6.「核燃料物質の計量管理を厳格におこなうこと」について
核燃料物質の管理体制が安全上重要であることはご指摘のとおりです。そのため、規制行政庁における運転段階での規制活動において、保安規定等により臨界管理のための核燃料物質の管理を行っています。また、目常的には、事業者が責任を持って管理を行っています。
JCO事故を受けた原子炉等規制法の改正において保安規定遵守状況の検査、原子力保安検査官の配置などが新たに追加され、より厳密な核燃料物質の管理が行われると認識しています。
7.「日本の原子力の現状について徹底的な見直しをすること」について
原子力政策の方針については、原子力委員会において新たな原子力研究開発利用長期計画の策定に取り組んでいると承知しています。
8.「公開討論会の開催を要請します」について
JCO事故の原因等について、安全委員会としては、事故調査委員会の報告等で既に明らかにされているものと考えておりますので、公開討論会の開催は考えておりません。
なお、JCO事故後、原子力安全委員会では、国民の必要とする情報の提供や、国民の声を広く聞くことなど、情報公開、国民との双方向の意志疎通のための施策を一層推進しています。具体的には、本年5月に原子力安全意見・質問箱を設置したほか、8月には、地方原子力安全委員会を東海村で開催しました。このような機会を活用していただくことをお願いいたします。
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