コラム「風車」2011年7月

「風車」2011年7月号

本紙は「はんげんぱつ新聞」だが、反原発より脱原発に紙名を変えたらどうかとの声を聞く。400号は、よい機会だったかもしれないのだが、正直なところ、3・11後の慌ただしさで、それどころではなかったのが実情だ。

紙名の変更は、けっこう難しい。1993年10月の187号で「反原発新聞」から「はんげんぱつ新聞」に変更しているのだが、第三種郵便物の変更がなかなか認可されなかった。漢字を仮名に変えるだけなのに、別のものではないか、発行目的が変わったのではないか、としつこく聞かれた。第三種をやめたい郵政当局の意図があったのか、単に担当者がイヤな奴だったのかはわからないものの、ともかくやっかいだったという記憶がある。

現実の脱原発のほうは、定期検査後の再稼働に県知事らが難色を示していて、なし崩し的に原発ゼロが実現しそうな勢いすらある。それは困ると訴える日本エネルギー経済研究所のレポートも、今夏でなく来年夏には「電力不足の可能性」と、なぜか弱気だ。とはいえ裏切りの気配もあるし、なし崩し的脱原発には無理があるだろう。

原子力基本法の改正か脱原発法の制定か、けっきょく法律で定めるべきものだ。そうさせるには何が必要か。国民投票なのか署名かデモか裁判か、真剣に考える時を迎えている。