小林晃 写真展-素顔の核燃料再処理工場 ラ・アーグ

『小林晃 写真展-素顔の核燃料再処理工場 The True Face of Nuclear Reprocessing Plants』より

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放射性廃液の行方

トロッコの線路は工場廃液の排出管メンテナンス用。管はこの近くに埋められており廃液は海中を右に回り7キロ先で時速20キロの海流に捨てられる。ACRO発表の工場周辺の汚染図では排出口に近い海浜で採取した海藻中に含まれるヨウ素129(半減期1600万年)の01年~03年平均の汚染値は80ベクレル/キログラムで、東へ約180キロの海浜でおよそ15ベクレル、南へ約100キロの海浜ではおよそ5ベクレル。日本の平均的土壌では0.1~0.3ミリベクレル(高木仁三郎氏)であり、土壌と海藻の違いがあるが永久に続く高い汚染である。六ヶ所から180キロは釜石や苫小牧になる。(2005年7月撮影)

フランソワ・エルビュー氏

エルビュー氏は政府の放射能安全局の職員だったが定年後にACROのボランティアになった。氏は、「01年工場はルテニウムを大量放出したが周辺の汚染値はCOGEMAと私達では1000倍の開きがあった」、「03年もラドンやコバルトの放出を暴露した」と語った。写真は工場から約1キロにあるサンクレジュ村の湧き水とエルビュー氏。最近、この湧き水にトリチウムが含まれていることが明らかになり、飲用禁止になった。(2005年7月撮影)

ナタリー・ゲイスマールさん

ゲイスマールさんは「怒れる母達の会」のリーダー。97年に仏国立ブザンソン大学のビエル教授が「工場周辺で子供の白血病が多発している」と発表したが、これを無視したCOGEMA社に怒って活動を始めた。彼女の家を訪問すると「日本の六ヶ所周辺の住民は、現在の環境や人の放射能の汚染状況を測っておく必要がある。そのデータがないと工場稼動後に比較ができず工場や行政と交渉がしにくい」と教訓を述べた。写真は息子さんと。(2005年7月撮影)

 牧場

セラフィールドと同じで、ラ・アーグの周囲も牧場が多い。六ヶ所も同じ風景が周囲にある。事故が起これば、人間の被曝とともに家畜の汚染とりわけ牛乳が問題になる。(2005年7月撮影)