厚生労働省、労働基準監督署宛て申し立て

2月8日、原発被曝労働者・JCO臨界事故被害者の救済に向けた市民と議員の院内集会で、30年前に島根原発と敦賀原発で被曝労働に従事し、心筋梗塞で労災申請中の梅田隆亮さんが参加し、申し立てを行ないました。


厚生労働大臣 長妻 昭 様
厚生労働省労働基準局 様
松江労働基準監督署 様

私、梅田隆亮は、平成20年9月に松江労働基準監督署へ原子力発電所で働き被曝したことによる健康障害(心筋梗塞など)で労災申請をしました。
このことに関して直接訴えたく、福岡から夜行バスで15時間かけてこの場に参りました。
申請から、1年5ヵ月が過ぎようとしています。一刻も早く、認定していただきたくお願いいたします。

私は30年前、昭和54年に島根原発1号炉と敦賀原発で定期検査工事に従事しました。島根原発へは3月に約1週間(3/2?3/6)、ここでは一般の作業服、長袖のシャツ、ズボン、ゴム靴で、胸のポケットにアラームメーター装備するといういたってシンプルな装備で仕事をしました。
敦賀原発へは5月から6月(5/17?6/15)にかけて約1ヵ月間働きました。いっしょに行った5名が2班にわかれ、炉心の鉛板の補繕溶接の作業をしました。宇宙人のような重装備の真っ赤な服装で、全面マスクしての作業でした。40℃近い高温と高い湿度の中で、全面マスクを着けての作業は息苦しく、ガス切断機でパイプを切ったり、溶接する作業なのでマスクが曇っては仕事になりません。マスクを外して仕事をせざるをえませんでした。パイプを切断するとき、鉄粉が舞い上がります。これが付着すると、洗ってもなかなか落ちません。そんな悪い空気を吸い込んでしまう仕事でした。
現場に入った途端100ミリレムや80ミリレムにセットしたアラームメーターが鳴り出すことがたびたびありました。しかし、定期検査の期間中に仕事を終らせなくてはならず、線量計を外して作業せざるをえませんでした。炉心付近に、何かを冷却すると思われる場所から冷風が流れていました。その場所に集まって、冷風に当たることがたびたびありました。それが、高い濃度の放射能を含んだ風だったことを後で知りました。作業のノルマをこなすために、逃れることができない、どうしようもない状態でした。
1日の作業が終了すると、線量計、アラームメーターを、各自が2次下請けの責任者へ渡し、シャワーを浴びて退所するということになっていました。責任者が1人で全員の記録を書き込み、作業者本人に線量を知らされることはいっさいありませんでした。
労災申請の準備をするときまで、私は放射線管理手帳の存在も知らないままでした。
6月15日、血液と尿検査のため病院に行き、そこで月間の被曝許容量に達してしまったのでいったん帰宅することになりました。ホールボディカウンターで、体内放射能量測定したところ、2247カウントでした。係の人からシャワーを浴びるよういわれ、再測定したところ2047カウントと、わずかしか減っていませんでした。民宿で2?3日休んで再検査するといわれましたが、所用もあり帰宅しました。
敦賀から帰宅後、外部から衝撃を受けたりしていないのに、突然鼻血が出たり、吐き気や脱力感に襲われるようになりました。
7月12日に長崎大学医学部で精密測定をしたところ、ふつうからだの中にはないはずのコバルトやマンガン、セシウムなどの放射能が検出されました。

平成12年3月28日、会社関係の接待ゴルフへ行き、そこで倒れ病院へ搬送されました、そこで心筋梗塞と診断され、1ヶ月半入院しました。退院後、通院治療を受け、復職は不能との宣告をされました。厚生年金の受給資格取得まで5年間就労不足で、脱退一時金と家内の国民年金で生活を維持していますが、厳しい生活です。

これまで、松江労働基準監督署の聞き取り調査、また厚労省労働基準局の担当の方に、私が仕事をした作業現場や被曝の状況についてお話してきました。
しかし、これらのことが理解されていない事実が、12月22日、社民党の近藤正道議員の紹介で行なわれた申し入れの場で明らかになりました。
私が主に被曝した敦賀原発の現場を再調査することをお願いします。
また、12月25日から開始されている、私についての電離放射線障害の業務上外に関する検討会に提出される資料を、私本人に開示されることをお願いします。

平成22年2月8日

福岡市在住 梅田隆亮

注:「電離放射線障害の業務上外に関する検討会に提出される資料」とありますが、梅田さんが労働基準監督署の聞き取り調査や申し立てたことで主張したことがどのようなかたちでまとめられ検討会に提出されるのか確認したい、という要望です。



★ 労災認定の枠をさらに拡げるために「本省に直接訴えたい」梅田さんの思いを実現させよう
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