【原子力資料情報室声明】特定技能外国人労働者に原子力施設での作業をさせるべきではない

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5月27日(月)18:30/連合会館 2階 201号室/資料代500円(予約不要)

 

特定技能外国人労働者に原子力施設での作業をさせるべきではない

2019年4月26日

NPO法人原子力資料情報室

東京電力は門戸を開かれた特定技能外国人労働者を福島第一の廃炉作業に使用する意向を表明した。想定されているのは特定技能1号の外国人という。今後さらに他原発での作業にも拡大しかねないこの動きを以下の理由で断じて認めるわけにはいかない。撤回するべきだ。

1)原子力施設での作業には被ばくが伴う。多重下請構造の労働現場では、これまでの情報から、線量の高いエリアでの作業に回される可能性が高い。にもかかわらず、放射線防護に関する十分な教育と訓練が受けられないことが想定される。現状でも十分ではない上に、要求される日常会話レベルでは、いっそう不十分になる恐れが高い。放射線作業従事者としての管理が十分に行われず、被ばくによる労働災害の認定や追跡がいっそう曖昧になる恐れがある。

2)廃炉作業現場では、労働基準関係法令に違反する事例が際立っている。厚生労働省の統計によれば、2016年から18年の3年間だけを見ても、違反率は46%、38.4%、53.1%と高い。厚労省の指導にもかかわらず非常に高い状態が繰り返されているのである。これらは安全衛生関係ならびに労働条件関係、それぞれに高いが、特に労働条件ではいっそう高い。こうした法令違反の現状では、特定技能外国人労働者の労働条件がいっそう悪化する恐れがある。

3)東京電力は「発注者」としての責任がありながら、2)で見る事態に無責任な対応をしているばかりか、改善する能力がない。

東京電力は方針を撤回し、政府は特定技能外国人労働者の作業分野から原子力施設を除外するべきだ。

国籍を問わず、働く人たちの生命と健康が完全に保証されるべきであることが、もっとも基本なのではないのか。

(以上)