六ヶ所再処理工場ウラン試験に伴う「安全協定」の締結に対する抗議声明

六ヶ所再処理工場ウラン試験に伴う
「安全協定」の締結に対する抗議声明

2004年11月22日
原子力資料情報室

 青森県、六ヶ所村と日本原燃は本日、六ヶ所再処理工場におけるウラン試験に伴う「安全協定」を締結しました。名称は「周辺地域の安全確保及び環境保全に関する協定」ですが、その締結は実際には、周辺地域の安全と環境を脅かすウラン試験の開始への合意を意味します。すなわち、六ヶ所再処理工場の全施設と周辺環境を放射能で汚すことに他なりません。そのような「安全協定」の締結に抗議します。
 技術的信頼性や品質保証体制の欠如から、あるいは使いみちのないプルトニウムの取り出しへの国際的懸念から、六ヶ所再処理工場は、仮にむりやり運転に入れたところで動かしつづけられないことは、多くの、さまざまな立場の論者がそろって指摘する通りです。それでも、いったん放射能で汚染してしまえば、後始末はきわめてやっかいになります。六ヶ所村民・青森県民には、放射能の危険性はもとより、再処理工場がもたらすはずの税収に安易に依存しようとしたツケである経済的破綻が重くのしかかってこざるをえません。そうした事態に知事・村長はどう責任をとれるというのでしょうか。
 原子力委員会の新長期計画策定会議は、はじめから多数派として選ばれていた委員たちによる事実上の多数決によって、再処理を基本とする核燃料サイクル政策を「中間取りまとめ」としました。とはいえ、それが六ヶ所再処理工場の建設・運転にお墨付きを与えるものでないことは、座長をつとめた近藤駿介原子力委員長が「長期計画で扱うのは基本政策のみ」と明言しています。六ヶ所再処理工場を動かしてよいとする条件は、事故時の責任のあり方をふくめて、何ら整えられていないのです。
 今からでも遅くありません。知事・村長は県民・村民の安全と安心を真に確保するために、ウラン試験入りにストップをかけられますよう、また、日本原燃は再処理工場の建設・運転を白紙撤回されますよう、強く求めます。