(プレスリリース)米印原子力協力協定ついての超党派院内集会及び総理大臣宛要請

報道機関各位                2008年9月3日

米印原子力協力協定ついての超党派院内集会及び総理大臣宛要請

 米国とインドが進めている米印原子力協力協定は、核不拡散条約(NPT)体制の枠外で核実験を行い、かつ、核兵器を保有するインドに例外措置としての特典を与えるものです。国際社会はNPTを中心とする核不拡散・核軍縮体制の崩壊の危機に直面しているといえます。そして、インドの核軍備増強に寄与するものであり、南アジアにおけるさらなる軍拡競争にも繋がる非常に危険なものです。

 8月21?22日の原子力供給国グループ(NSG)会合でインドへの燃料供給等を例外扱いとするためのガイドラインの変更の是非が議論されましたが、結論は持ち越しとなりました。明日9月4日から5日にかけて、NSG各国はウィーンで再び会合を開き、この問題を審議すると伝えられます。日本は45か国のNSG加盟国の一国として、この問題に大きな責任を有してします(コンセンサス方式であるため、すべての国に拒否権がありますが、米国との関係から、多くの国が微妙な態度を取っています)。

被爆地の広島・長崎をはじめ、私たち日本の市民団体・個人は、日本政府に対し、米印原子力協定に反対するよう繰り返し求めてきました。去る8月15日には、秋葉広島市長、田上長崎市長等も賛同する国際署名アピールを高村外務大臣宛に提出し、8月19日には西村外務省政務官との面談を行いました。しかし、日本政府はあいまいな態度に終始し、一部報道ではすでに容認の意向を固めているとも伝えられます。このような対応に対し、被爆地広島、長崎の被爆者団体を中心に、インドの例外措置に反対する声が強まっています。そして、国会内でも、下記のような与野党の議員の呼びかけによる超党派の米印原子力協定反対の院内集会も予定されています。また、我々市民は、日本の市民の声を今一度政府に伝えるため、外務省の林景一官房長と面談し、内閣総理大臣宛ての要請書(別紙参照)を手渡します。
事案の重要性をご理解いただき、是非取材をお願いします。

(米印原子力協定反対院内集会)

日時:2008年9月4日(木)午後2時半~3時半 

場所:衆議院第2議員会館第1会議室

 (総理大臣宛申し入れ)

日時:2008年9月4日(木)午後5時半から30分程度

場所:外務省

〒162-0065 東京都新宿区住吉町8-5 曙橋コーポ2階B
原子力資料情報室
電話:03-3357-3800 ファックス:03-3357-3801
メール:cnic[アットマーク]nifty.com
ウェブ:http://www.cnic.jp/


内閣総理大臣 福田 康夫 様

2008年9月4日

米印原子力協力に、日本政府は明確な「NO」を
 
米国とインドが進めようとしている「米印原子力協力協定」について、私たち核兵器廃絶を求める日本の市民・NGOは、それが国際的な核不拡散体制の崩壊につながるものとして深く憂慮し、被爆地をはじめとする全国各地で反対の訴えを行って来ました。このような中、8月21日、22日、日本を含む原子力供給国グループ(NSG)45ヶ国は、包括的保障措置(査察)を受けていない国への原子力協力を禁じたNSGガイドラインを改定し、インドへの「例外措置」を認めるか否かの議論をしましたが、多くの国から深刻な懸念が示され、結論には至りませんでした。次回のNSG会合は、9月4、5日の両日に開催されるとの報道に接しています。

核不拡散条約(NPT)は、NPTに加盟し、国際原子力機関(IAEA)による包括的保障措置(査察)を受ける国にのみに、核燃料の供給や核技術の提供といった原子力協力を認めています。NSGは、インドの1974年の核爆発実験を機に、米国の主導により、NPTによる核不拡散体制を守るために結成されたものです。ところが、その米国が、インドとの関係変化を理由に、米印原子力協定を締結し、NPTに加盟せず、核実験を行い、核兵器計画を維持し続けているインドを例外扱いし、インドへの原子力協力をしようとしています。イランや北朝鮮の核開発を阻止しようとすることと矛盾し、明らかなダブルスタンダードであり、NPTによる核不拡散体制は有名無実化することは明らかです。

私たちは、被爆国である日本の市民・NGOとして、このような暴挙を許すことはできません。もし、米国やインドとの関係を理由にガイドラインの変更を容認するとすれば核拡散を促し、核廃絶を著しく困難にするものであり、「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ」と血のにじむような想いで核兵器廃絶を訴えてきた被爆者の心をもふみにじることになります。

NSGにおけるガイドラインの改定は全会一致方式であり、最終の決定内容が日本政府の意思をも示すことになります。

私たちは、日本政府が、被爆国の政府として、来る9月初めのNSG臨時総会において、インドに対する例外措置を容認することなく、各国に率先してガイドラインへの改定への反対意思を明確にするよう強く求めます。

賛同団体(50音順):
インド・パキスタン青少年と平和交流を進める会  
世話人代表 森瀧春子 
核兵器廃絶市民連絡会 
連絡責任者   内藤雅義
核兵器廃絶ナガサキ市民会議 
代   表 土山秀夫
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA) 
共同代表   岡本三夫 河合護郎 森瀧春子
核兵器廃絶を目指す日本法律家協会(反核法協)
   事務局長   大久保 賢一
原水爆禁止日本協議会
   事務局長   高草木 博
原水爆禁止日本国民会議
   事務局長   福山真却
原水爆禁止広島県協議会  
筆頭代表  大森正信
原子力資料情報室 
共同代表  伴 英幸
財団法人 広島平和文化センター  
理事長  スティーヴン・リーパー 
日本原水爆被害者団体協議会
   事務局長  田中煕巳
日本国際法律家協会 
   会長  新倉 修
日本YWCA 
   会長  石井摩耶子
広島県被爆者団体協議会 
理事長   坪井 直
広島県被爆者団体協議会  
理事長   金子一士 
婦人民主クラブ(ふぇみん)
   代表    設楽ヨシ子     
NO DU(劣化ウラン兵器禁止)ヒロシマ・プロジェクト 
代表   嘉指信雄