原子力資料情報室声明:九州電力は川内原子力発電所1号機への燃料装荷を中止すべき

特定非営利活動法人原子力資料情報室は、九州電力が7月7日から川内原子力発電所1号機の燃料装荷を開始したことを受け、以下の声明を発表しました。


 

九州電力は川内原子力発電所1号機への燃料装荷を中止すべき

2015年7月8日
原子力資料情報室

 報道によれば、九州電力は川内原子力発電所1号機に7月7日から燃料装荷を始めた。同機の再稼働へ向けた最終的な段階へさしかかったと言える。

 私たちは九州電力のこの行為に深く失望している。以下の理由から、今からでも、燃料装荷を中止するべきと考える。

  1. 原発からの撤退は世論の大多数が求めるものであり、九州電力はこれを受け入れるべきである。電力生産という公益事業に携わる九州電力が、顧客の願いを無視して原発を存続させることはその公益性に反する。
  2. 多くの住民が避難計画に合意しておらず、計画に具体性と実効性がないと感じている。もし重大事故が起きた場合に、住民、とりわけ乳幼児、学童、避難に困難な病人や介護を必要とする人たちに、重大な被ばくを与えることになる。また、避難のための車両の民間運転手に対して大きな被ばくを与えることは、許されない。

 そしてまた、長期にわたる環境汚染が続く悲惨さは、東京電力・福島第一原発事故が明瞭に示している。

  1. 火山噴火による火砕流への対応がおざなりのままである。噴火予知はできるとする九州電力に対して、ほとんどの火山学者が核燃料搬出の可能な事前予知は不可能と指摘した。その場合には川内原発に貯蔵されているすべての燃料は溶融することになり、放射能による影響は数100キロメートルの遠方にまで及ぶ恐れがある。
  2. 耐震性の評価が作為的である。地震動評価は旧態依然として平均的な係数を使用した結果、安全側に立つ評価にはならなかった。また、震源を特定せずに定める地震動の評価についても、地質構造の違いという理由を言い立てて、過去に起きた地震動が強かった上位地震を参照しなかった。
  3. 大型航空機の意図的な衝突に対する対応もおざなりで、深刻な放射能災害が避けられない。
  4. 日本学術会議の提言を真摯に受け止めて、九州電力も、まず高レベル放射性廃棄物の処理・処分問題の解決へ、第一歩を踏み出すべきである。

 重大事故が起これば会社の存続が不能となるであろうことを考えれば、再稼働へ向けた作業を止め、廃炉へ向けた歩みへ舵を切るべきだと考える。