原子力資料情報室声明:新規制基準施行に際し、改めて原発からの撤退を訴える

NPO法人原子力資料情報室は本日、原子力規制委員会の新規制基準が施行され、電力各社が原発の再稼働申請を行ったこと受けて、下記の声明を発表しました。

 

新規制基準施行に際し、改めて原発からの撤退を訴える

 

2013.7.8

NPO法人 原子力資料情報室

共同代表 山口幸夫、西尾漠、伴英幸

本日、電力4社は10基の原発再開へ向けた申請を行った。12日には九州電力が玄海原発2基の申請を行う予定だという。原子力資料情報室は電力各社の申請に抗議するとともに、改めて原発からの撤退を強く訴える。

原子力資料情報室はまた、特定安全施設の設置に猶予期間を設けたことに強く抗議する。この期間に過酷事故が起きれば、電力各社も原子力規制委員会も責任ある対応がとれないことは明白である。

また、原子力災害対策の範囲は拡大されても、いまだ対策計画ができていない自治体もある上に、数十万人もの避難計画の実効性はない。原子力規制委員会が原子力災害対策計画の策定を地方自治体任せにし、審査対象から外していることは、福島原発事故を受けた後の原子力規制のあり方として一貫性を欠くものである。

さらに、立地審査指針を廃止したことも問題だ。廃止の理由は、福島原発事故の結果を反映させると、非居住区域を大きく拡大しなければならなくなる、つまり、原発の廃止か住民の立ち退きのどちらかになるが、これは現実的ではないというものだ。このことは立地審査指針を残せば、原発の廃止しかないことを意味している。

新基準でも過酷事故のリスクが下がっているわけではない。100万炉年に1度の確率でセシウム100テラベクレルの放出が起きることを許している。共通要因故障を考慮すれば確率はもっと高くなることは明らかだ(日本の実績では500炉年に1度である)。セシウム以外に希ガスやヨウ素などの放出は避けられない。この事故が住民に深刻な被ばくを負わせることになる。このような事故を潜在的に容認する原発の運転はとうてい認めることができない。

改めて原発の廃止しかないのだ。