またコンピュータの設定ミス? 東北電力:使用済み燃料でも放射能計算を誤る

またコンピュータの設定ミス? 東北電力:使用済み燃料でも放射能計算を誤る

■低レベル廃棄物の放射能量の“計算ミス(不正?)”につづき、東北電力が女川原発の使用済み燃料の放射能量と発熱量の計算でも失敗をおかしていることが2月16日に明らかになった。女川原発では2月7日、低レベル放射性廃棄物の放射能濃度の検査装置でも設定ミスが発覚している。この不祥事をうけてコンピューターの点検中に、今回の設定ミスが確認された。このミスは約14年も前から続いており、誤ったデータの使用済み燃料が、国内外の再処理工場に輸送されていたのである。同社の安全確認体制に大きな欠陥のあることは明らかだ。

■東北電力によれば、2006年度の第4四半期(2007年1月?3月)に六ヶ所再処理工場に輸送することになっている使用済み燃料88体のデータについて確認したところ、放射能量・発熱量ともに1割以上小さな値として計算していたことがわかった。発熱量にいたっては、誤って計算した方を基に考えると約16パーセントも過小に評価していたことになる。これらの使用済み燃料の輸送は中止される可能性もある。

■間違いの原因について東北電力は、燃料の燃焼を計算するプログラムORIGEN2(オリゲン・ツー)への入力データの指定を誤ったためと説明している。使用前の新燃料の段階でのデータの入力で、ウラン238とウラン235を取り違えて指定していたのだという。この入力設定は、国などの基準変更に伴い1993年5月に東北電力社員が改造しているが、この時点で作成ミスがあった、と東北電力は説明している。

■この計算ミスによって1993年以降の約14年間もの長い期間、686体の使用済み燃料が計11回にわたって、誤った放射能量と発熱量のデータのまま、女川原発から六ヶ所再処理工場、東海再処理工場、ラ・アーグ再処理工場(フランス)、ソープ再処理工場(イギリス)へ搬出されていたのである。経済産業省原子力安全・保安院は同日、「ミスが長年放置されてきたのは遺憾だ」として、東北電力に対し原因究明と再発防止策の提出を求めている。

■東北電力は「使用済燃料輸送容器の制限値を十分下回っていることから、輸送に関する安全上の問題はない」としているが、これはとんでもないことだ。この使用済み燃料のデータは、再処理工場の再処理工程で、臨界の計算、処理する使用済み燃料の量の管理、排出する放射能量の計算・測定などに使われるものだ。実際よりも10パーセントも低いデータでは、まったく使いものにならないばかりか、大きな事故(たとえば臨界事故)をひきおこす可能性もある。

しかも今回問題になっているのは計算の中の話であって、計算が実際のものと合っているかどうか、また別の問題もある。
(※計算値、制限値などの情報は東北電力URLのページを参照。)

■関連情報
【東北電力】
女川原子力発電所における使用済燃料搬出データの一部誤りについて
(2007年2月16日)
www.tohoku-epco.co.jp/whats/news/2007/02/16b.html
【東奥日報】
www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070217114803.asp
【低レベルの計算ミスについて:CNIC】
www.cnic.jp/482