抗議声明 東京電力に原発を運転する資格も能力も倫理もない 全ての原発を止めて、改ざん・不正・隠蔽の実態を明らかにし、再発防止策を市民に諮れ

抗議声明
東京電力に原発を運転する資格も能力も倫理もない
全ての原発を止めて、改ざん・不正・隠蔽の実態を明らかにし、
再発防止策を市民に諮れ

2007年2月1日
原子力資料情報室
共同代表 山口幸夫、西尾漠、伴英幸

 水力発電データ改ざんに端を発した事件は、ついに火力や原子力などあらゆる発電所に及んでいたことが1月31日の東電発表で明らかになった。
 今回の不正・改ざんの公表事項は199件と膨大である。東電の3発電所の17基の原発のうち3発電所14基に及んでいる。これによれば、非常用発電機、ECCS、総合負荷性能検査、安全保護系設定値確認検査、主蒸気隔離弁漏えい率検査、蒸気タービン性能検査、原子炉停止余裕検査などの法定検査に関するデータ改ざんが繰り返し行なわれてきた。福島第1原発のすべてで、総合負荷性能検査では1977年から2002年まで実に20年以上に渡って改ざんを繰り返してきたのである。また、ECCSでは福島第一原発の6基で79年?2002年まで、蒸気タービン性能検査では柏崎刈羽原発7号炉で98年から2001年まで、いわば日常茶飯事に行なわれていたことも明らかになった。改ざんはこれに留まらない。長年にわたって改ざん・隠蔽を繰り返してきたことに対して原子力資料情報室は厳重に抗議する。
 2003年以降は「改ざんはない」、今回ですべて出し尽くしたと表明しているが、このような言葉をもはや信頼することはできない。まだまだ隠されている事実があると疑わざるを得ない。
 2002年に発覚した数々のトラブル隠しによって東電の信頼は地に落ちた。東電は「徹底した調査」を約束し、第3者機関を設置して東電調査の客観性を示したはずだった。しかし、この徹底調査を通して隠され続けてきた。徹底調査はお座なりなものであった。一体、なにをどのように調査していたのか、誰が隠蔽にかかわってきたのか、これらにかかわってきた者をすべて明らかにするべきである。東電が人選を行なって設置した「第3者」機関では機能しないことが明らかになった今、東電は人選を市民に任せた第3者機関を設置して、これらの調査および再発防止策を諮問するべきである。