六ヶ所再処理工場に関して原子力施設安全情報申告

六ヶ所再処理工場に関して原子力施設安全情報申告

六ヶ所再処理工場に関する情報( www.cnic.jp/389 )を受けて原子力資料情報室は原子力安全・保安院(原子力施設安全情報申告調査委員会)に以下を提出しました。

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原子力施設安全情報申告

1.申告の意思

 ご連絡をいただいた際には、まず原子力施設安全情報申告制度に基づく処理を希望する意思の有無を確認させていただきます。同制度に基づく処理を希望する意思を有される場合には、ご連絡いただいた情報を同制度に基づき処理させていただきます。

この申告は,原子力施設安全情報申告制度に基づく処理を希望します。

1、氏名(仮名・匿名も可)

原子力資料情報室
共同代表:伴英幸、西尾漠、山口幸夫

2、連絡先

〒164-0003
東京都中野区東中野1-58-15寿ビル3F
TEL 03-5330-9520, FAX 03-5330-9530
e-mail : cnic[アットマーク]nifty.com

3、発生又は発見年月日

2006年6月5日

4、該当施設・場所

青森県六ヶ所村:日本原燃六ヶ所再処理施設

5 、法律違反又は安全問題の内容

現在アクティブ試験が行われている六ヶ所再処理工場では、「精製建屋における漏えい事故(5月18日公表)」、「分析建屋におけるプルトニウム被ばく事故(5月25日公表)」等が発生し、事業者の日本原燃からその内容が公表されている。

原子力資料情報室は,下記内容のメールを受信した。
漏えい事故については、漏えい量がは公表されている7リットルの10倍量にあたること、つまり日本原燃は、漏えい量を偽って公表している可能性がある。
また、この漏えいしたT継手と同時に製造されたもの1個が、すでにウラン試験において漏えいを起こしていた。その原因調査によって製造過程での異物混入が確認され、同一ロットの継手は耐硝酸性能が劣っていることをメーカーの東芝と日本原燃は認識していた。この事実は『ウラン試験報告書』にも記載されている。しかし日本原燃は、漏えいした1個のみを交換しただけで、他の箇所では耐硝酸性能がおとる材質のT継手をそのまま使用し続けた。アクティブ試験でのT継手の漏えい事故は、このような日本原燃の安全軽視の姿勢を浮き彫りにしたものである。
 さらにウラン試験-アクティブ試験における日本原燃のこのような安全性軽視の対応は、当然他の機器・部品にも及んでおり、工場全体の安全性に大きな疑念を生じさせている。
(参照:「ウラン試験報告書」)
 
 被ばく事故については、一部の作業員からマスク着用が促されていたが、作業マニュアルに記載されていないために着用が見送られ、プルトニウム被ばく事故が発生した。作業マニュアルには、プルトニウムを扱うことによる被曝事故を防ぐという当然考慮されるべき考え方が欠落していた。被曝事故を発生させた背景として、日本原燃(5班3交替)と下請け会社(4班3交代)の勤務形態の違いがある。作業員の勤務形態、作業条件等を検証するべきである。

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■【原子力資料情報室宛ての「メール」】

Subject: 日本原燃トラブルの真実について

突然ですが、ひどく憤りを感じるため、日本原燃にて、先日発生したトラブルについて、
偽りの情報公開が発生しているため、報告させて頂きます。

1.精製建屋でのT継手からの硝酸ウラン溶液の漏れにつて

漏れた液量は、7リットルと公表されているが、実際は、10倍量にあたり、堰は、あふれんばかりの状態で、これを公表すると、A情報ということで、除染したのちの値を公表した。
また、処置済みとされていたT継手は、ビニールにて養生しただけのお粗末な状態で、
このビニール養生された中にたまっていた溶液の量が約7リットルという事実。

メーカ(東芝)では、漏れることは予想されていたが、日本原燃側は、処置をさせなかった。
このトラブル発見では、異臭を確認しとあるが、別の部屋の作業員が確認するというのは、異常。
換排気設備が正常に機能していない。
なぜならば、負圧が担保されているならば、別の部屋で異臭を感じる訳がない。
また、その量が7リットル程度であれば尚のこと。

2.分析建屋での作業員の放射性物質の体内摂取について

作業員の作業服に汚染が確認される以前に数回、汚染が確認されているが、報告は愚か、原因も特定出来ていない事象が発生していた。
全て、アクティブ試験以降に汚染が確認されている。

フードでの作業において、半面マスクの着用が義務付けされていない件については、グローブボックスも同様(一部着用をマニュアル化)で、一部作業員の中では、着用を日本原燃に対し、促していたようだがマニュアルに記載されていないということで、着用は見送られていた。

また、放射線管理を管轄る部長は、日本原子力機構からの出向者がなっているが、先行施設の安全対策を反映していない。体内摂取した作業員は、作業当日休憩を取得する事無く、業務に従事していた。

作業体制が不自然で、日本原燃は、5班3交替、この協力会社員は、4班3交代で、激務を強いられていた結果によるトラブルであることを公表せず、ヒューマンエラーを強調。

匿名希望
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6 、どのように知ったのか

上記内容のメールを受信した。

7 、内容を裏付ける資料があるのか

「原子力資料情報室宛てメール」の内容について,日本原燃はメールの内容を一部認めている。
漏えい事故に関しては、T継手のビニール養生の状態、継手のメーカーは東芝であること。被ばく事故の関連では、2件の被服汚染事故がすでに発生していたこと、放射線管理部長は日本原子力研究開発機構の東海再処理工場からの出向者で現在は日本原燃に転籍していること、日本原燃は5班3交替、協力会社員は4班3交代であること等々である。(以下参照)

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(日本原燃 http://www.jnfl.co.jp/daily-stat/topics/060616-recycle-01.html )
「精製建屋における試薬の漏えい」(5月18日公表)および
「分析建屋における微量の放射性物質の体内への取込み」(5月25日公表)
の公表内容について

 5月に公表しました「精製建屋における試薬の漏えい」および「分析建屋における微量の放射性物質の体内への取込み」について、6月6日に原子力資料情報室より、これらの公表内容が事実と異なると指摘した匿名のメール内容も含めた詳細情報の公開要請がありましたが、今回改めて確認した結果、以下のとおりでした。

<<原子力資料情報室宛のメールの内容(要旨)と事実関係>>

1.「精製建屋における試薬の漏えい」

[匿名メール内容]

漏えい量は7リットルと公表されているが、実際は10倍で堰はあふれんばかりの状態。これを公表するとA情報となるため除染したのちの値を公表した。
<事実関係>
・漏えい量は、漏えい確認時の滴下量から算出した結果、約7リットルでした。
・堰は約12m×約7m×約0.2m(容量は、およそ16,800リットル)であり、あふれんばかりの状況では全くありませんでした。
・「1リットル以上100リットル未満の放射性液体の漏えいを発見した時」にあたる事象としてB情報としました。

[匿名メール内容]

(昨年7月にT継手において液滴が発見された際の類似事象の確認において)処置済みとされていたT継手は、ビニールで養生しただけのお粗末な状態で、今回の漏えいはこのビニール養生された中にたまっていた溶液の量が約7リットルであった。メーカでは漏れることを予想していたが、日本原燃側は処置をさせなかった。
<事実関係>
・昨年実施した類似事象の確認では、外観確認や浸透探傷検査を行って異常のないことを確認しました。
・万一の漏えいに備え、硝酸溶液を扱う系統のT継手には、飛散防止の目的でビニールのカバーを取り付けていました。
・このカバーは内部に液体がたまる構造ではなく、今回の漏えいはカバーの隙間より、配管の表面をつたって滴下したものです。
・メーカからの報告書(当時の報告書作成者および責任者への再確認を含む)において、メーカが漏れることを予想していたこと、当社が処置をさせなかったということがらを示すものはありませんでした。

[匿名メール内容]

作業員が異臭を確認して発見したとのことだが、負圧が担保されているならば別の部屋で異臭を感じるわけはなく、別の部屋で異臭を感じたのであれば換排気設備が正常に機能していないということである。
<事実関係>
・漏えいがあった部屋と異臭を感じた部屋は同一の管理区域であることから、両部屋の負圧に差はありません。
・両部屋は扉および開口部を介して隣り合っており、換気設備が正常に機能している状態でも隣りの部屋の異臭を感じることは十分ありえます。

2.「分析建屋における微量の放射性物質の体内への取込み」

[匿名メール内容]

アクティブ試験開始以降、作業員の作業服に汚染が今回の事象の前に数回確認されているが、報告はおろか、原因も特定出来ていない。
<事実関係>
・アクティブ試験開始以降、管理区域用被服の汚染が今回の事象の前に2回確認されています。
・いずれの事象においても管理区域用被服のみの軽度な汚染であること、作業場所の空気中放射性物質濃度、表面汚染密度の測定結果から作業環境にも問題がないことを確認しており、さらに、汚染部位が左肘、左わき腹であり呼吸域から遠いことなどから、内部被ばくは無かったものと判断しています。
・これらは、「法令報告」および「トラブル等対応要領に基づく連絡・公表」の対象外でした。

[匿名メール内容]

一部の作業員から、マスクの着用を日本原燃に対して促していたようだが、マニュアルに記載されていないということで、着用は見送られていた。
<事実関係>
・社員および協力会社作業員から作業における要望事項について書面で提案を受けるシステムを有しており、この記録を確認したところ、フード作業における半面マスク着用に係る要望はこれまでにありませんでした。

[匿名メール内容]

放射線管理の部長は日本原子力研究開発機構からの出向者がなっているが、先行施設の安全対策を反映していない。
<事実関係>
・放射線管理部長は東海再処理工場の勤務経験を有する当社社員(プロパー)です。
・六ヶ所再処理工場の放射線管理体制を構築するにあたっては、先行施設の管理経験に基づいて放射線防護を行うとともに、従来から多くの社員が先行施設で教育・訓練を受けており、先行施設の安全対策を反映しています。

[匿名メール内容]

体内摂取した作業員は、作業当日休憩を取得する事無く業務に従事していた。
<事実関係>
・当該作業員が適切に休憩をとっていたことを確認しました。

[匿名メール内容]

日本原燃は5班3交替であるが、この協力会社社員は4班3交代で、激務を強いられており、その結果によるトラブルであることを公表せず、ヒューマンエラーを強調した。
<事実関係>
・日本原燃は5班3交替(このうち1班は、日勤直として巡視、手順書作成等に従事)、協力会社は4班3交替の体制です。
・勤務時間については協力会社においても1日あたり7時間40分であり、5班3交替勤務者と変わりありません。また、休日についても8日間の間に2日休日を取得しており、激務を強いていたという事実はありません。
・今回のトラブルにおいては、作業手順、設備、教育の点から改善を図ることとしています。
以 上

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8 、内容を知っている人間が他にいるのか

「原子力資料情報室宛てメール」について、日本原燃、原子力安全保安院(核燃料サイクル規制課)、青森県に対して、「メール」で指摘されている内容も含めて事故の状況、事故への対応等、詳細な情報を公開することを求めた。

9 、申告の理由・動機は何か

「メール送信者」はメール作成の理由として、「突然ですが、ひどく憤りを感じるため、日本原燃にて、先日発生したトラブルについて、偽りの情報公開が発生しているため、報告させて頂きます。」と述べている。

10 、内容に関して勤務先の上司等と話し合ったのか

11 、保安院以外に対し申告の内容を明らかにしたのか
(あるいは、明らかにする意思があるのか)

「原子力資料情報室宛てメール」は日本原燃、原子力安全保安院(核燃料サイクル規制課)、青森県に送付し、当室のURLで公開している。

2 .氏名・連絡先以外で、申告の内容のうち申告者の特定に結びつきうる情報は何か

なし