六ヶ所再処理工場でプルトニウム被ばく事故

六ヶ所再処理工場でプルトニウム被ばく事故

⇒続報(この事故の詳細)
cnic.jp/381

■六ヶ所再処理工場でプルトニウムによる被ばく事故が発生した可能性が高い。事故は工場の分析建屋でプルトニウムを含む試料の分析作業を行っていた30代の下請け作業員が、作業中にプルトニウムを吸い込んだものと考えられる。日本原燃は「微量の放射性物質(預託実効線量で約0.01mSv(ミリシーベルト)(暫定値))を体内に摂取していたことが、本日(5月25日)、確認されました。」としている。しかしこの被曝量約0.01mSvの根拠となるデータや計算方法等については、何も公表されていない。

■作業員は5月19~20日にかけてプルトニウムを含む分析試料をグローブボックスとフード内で取り扱う作業を行っていた。何らかの理由でプルトニウムを吸い込み、作業服の右胸部分も汚染した模様だ。しかしすぐにはこの被ばく・汚染事故は確認されなかった。

■5月22日になって、放射能汚染する可能性のある管理区域内で使用された作業服を洗濯する前の放射能測定が行われた際、この作業員の作業服の右胸部に放射能汚染が確認された。日本原燃の公表では、最大でα放射能汚染が1平方センチ当たり1.5Bq(ベクレル)、β放射能汚染が1平方センチ当たり0.17Bq(ベクレル)、となっている。作業服の汚染された範囲が、全体でどの程度の大きさになるのかは公表されていない。

■汚染した作業着を着用していた作業員について、日本原燃は「体内への放射性物質の摂取の有無を調べたところ、微量の放射性物質を体内に摂取していたことが確認されたものです。」としている。プルトニウムを吸い込んで、内部被ばくしている可能性が非常に高い。

■プルトニウムは一度吸い込んでしまえば50年間は体の外に排出されず、内部被ばくし続けることになる。プルトニウムには高い発ガン毒性がある。どんなに微量でもプルトニウムを体内に取り込めば、必ずなんらかの健康上の影響を受ける。

■作業員が扱っていた分析試料の分析結果は未公表、事故原因等は調査中とされている。

■関連報道
【日本原燃】
www.jnfl.co.jp/daily-stat/topics/060525-recycle-01.html
【共同通信】
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060525-00000254-kyodo-soci