六ヶ所再処理燃料プール・貫通孔確認、徹底的な原因究明を求める

日本原燃は2005年6月14日、使用済燃料プールの漏えい事故について、貫通孔1ヶ所を確認したことを公表した。

■6月8日に発見された使用済燃料受入れ貯蔵建屋内のバーナブルポイズン取扱ピットの漏えい箇所の特定作業は、同ピットを隔離後水を抜き、除染作業が終了した13日午後から実施されてきた。同日17時30分頃、「真空発泡検査」によって、南西角の床コーナー部付近で貫通箇所1ヶ所が確認された。確認された孔は、同ピットに内張されたステンレス製のライナーを(約6ミリ)貫通しているようだが、溶接された部分ではない。漏えい箇所の特定作業は作業員百人規模、24時間体制で行われている模様。調査は続けられており、貫通孔が複数の可能性もある。

■大規模な漏えい問題の発覚によって実施された2003年の「再処理工場の健全性を確認するための総点検」では、計二百九十一カ所で不良溶接が確認され補修工事が実施された。今回確認された貫通孔は補修工事をした部分とは異なるようだ。

■日本原燃の公表(6月9日プレスリリース)では、<バーナブルポイズン取扱いピットの状況>として、
平成16年12月    水抜き、切断装置の取替え工事開始
平成17年 5月31日 水張り開始
平成17年 6月 2日 水張り完了
となっている。
総点検による補修作業後に、バーナブルポイズン切断装置の取替え工事が実施されており、今回の漏えいはこの工事によって新たな貫通孔が生じさせた可能性を排除できないのではないか。

■さらにバーナブルポイズン切断装置の試験はこれから実施される予定であり、2004年からなぜこの工事が実施されたのか等、日本原燃は詳細を説明するべきだ。漏えい箇所の特定作業とともに、なぜ溶接部分でないライナーに貫通孔が生じたのか、徹底的な原因究明が求められる。
▽「総点検」によって日本原燃全社的な品質保証体制が確立されたことになっている。今回の漏えい事故は、その真贋を問うものだろう。

■関連情報
▽日本原燃
www.jnfl.co.jp/press/pressj2005/pr050614-1.html
www.jnfl.co.jp/press/pressj2005/pr050609-1.html
▽日本原燃(『品質保証体制点検結果報告書』)
www.jnfl.co.jp/quality/index3.html
▽東奥日報
www.toonippo.co.jp/news_too/nto2005/0614/nto0614_16.asp
www.toonippo.co.jp/kikaku/kakunen/new2005/0614_1.html
www.toonippo.co.jp/news_too/nto2005/0610/nto0610_13.asp
▽デーリー東北
www.daily-tohoku.co.jp/kakunen/news2005/kn050614a.htm
www.daily-tohoku.co.jp/kakunen/news2005/kn050611a.htm
www.daily-tohoku.co.jp/kakunen/news2005/kn050611b.htm
www.daily-tohoku.co.jp/kakunen/news2005/kn050610a.htm