再処理契約データにみる六ヶ所再処理工場計画の実態

 日本の電力会社と六ヶ所再処理工場(日本原燃)、東海再処理工場(核燃料サイクル開発機構)、ラ・アーグ再処理工場(COGEMA)、THORP再処理工場(BNFL)との再処理契約やその他のデータを入手したので、掲載する。
cnic.jp/files/repro_contract.pdf

六ヶ所以外の3つの再処理工場の再処理役務は、2006年までにすべて終了予定である。しかし六ヶ所工場との契約は、進んでいない。

1.六ヶ所再処理工場

 電気事業連合会が公表したバックエンドコスト試算の根拠として、六ヶ所再処理工場では、年間800トンの処理能力で、フル操業を40年間行うという条件が示されていた。したがって40年間で32000トンの使用済み燃料が処理されるということになっている。

 しかし現在、六ヶ所再処理工場と電力会社の再処理契約量は、実は10000トン分しかないことが判明した。

 日本原燃と各電力の現在の契約量(1997年3月3日契約)北海道(296)、東北(403)、東京(3867)、中部(927)、北陸(155)、関西(1847)、中国(409)、四国(404)、九州(1037)、日本原電(655)、合計10000トン。

 ということは、実際に32000トンの再処理が行われるかどうか、現状では不明である。今後の景気動向、電力需給の予測、そして4月からの電力自由化拡大等の多様な要因によって、電力会社の再処理契量への対応は変化する可能性がある。肝心の再処理契約を、電力会社自身が躊躇しているのは確かだが、それに対し経済産業省が、再処理積立金法案の提出の見返りとして32000トン全量の契約を要求したとの報道もある。いずれにせよ六ヶ所再処理工場の先行きは益々不透明と言わざるえない。

2.東海再処理工場

 8電力会社と同工場との契約による役務運転が今年2005年中に終了する予定である。新規契約は行なわないこととされており、以後は高燃焼度燃料、MOX燃料の使用済み燃料再処理などの研究開発が行なわれる計画である。分離されたプルトニウムが全量、電力からサイクル機構に売却されており、その使途等についても引き続いて照会している。

3.ラ・アーグ再処理工場

 10電力と同工場の契約分の再処理は全量終了している。分離されたプルトニウム量は工場での保有量なので、MOX燃料に加工されたものは、別項参照。

4.THORP再処理工場

 契約量の再処理は、2006年までに終了予定である。東海原発分は、別紙参照。